北海道大学発のスタートアップ企業として注目を集める調和技研が、最新の人工知能技術を駆使した画期的なシステムを世に送り出しました。2019年07月09日、同社が発表したのは、個人の顔写真を瞬時にして浮世絵のような独特のタッチへ描き変えるAI技術です。これまで難易度が高いとされていた日本伝統の芸術様式を、デジタルの力で見事に再現しています。
このシステムには、AIが特定のパターンを認識して別のスタイルへ変換する「スタイル変換」という高度な技術が応用されています。浮世絵特有の、目や鼻といった顔のパーツを大胆に強調する技法をAIに学習させることで、驚くほどの精度を実現しました。単にフィルターをかけるのとは異なり、AIが一人ひとりの特徴を理解した上で、数十秒という短時間で江戸時代の肖像画のような一枚を生成するのです。
2019年07月09日現在、札幌市の中心部にある地下歩行空間(チ・カ・ホ)などで、一般の来場者が実際に体験できるイベントが開催されています。訪日外国人観光客の間でもこの試みは大きな反響を呼んでおり、SNS上では「自分の顔がまるで歌川国芳の作品のようになった」「日本旅行の最高の思い出になる」といった驚きと称賛の声が相次いで投稿されました。
調和技研の狙いは、単なる娯楽の提供に留まりません。今回開発された顔のパーツを細かく捉えるアルゴリズムは、同社が本業として手掛ける高度な「画像識別システム」の精度向上にも大きく寄与しています。画像識別とは、カメラに映ったものが何であるかをコンピューターが自動で判別する技術であり、防犯や自動運転、製造ラインの検品など、現代社会のあらゆる場面で欠かせないインフラとなっています。
筆者は、このように先端技術を文化的なエンターテインメントと結びつけるアプローチは、非常に賢明で意義深いものだと感じています。AIという言葉にどこか「難解で冷たい」という印象を抱く人も少なくありませんが、自分の顔が魅力的なアートに変わる体験を通じれば、テクノロジーをより身近な存在として好意的に受け入れられるはずでしょう。身近な驚きこそが、技術革新への理解を深める一番の近道だと言えます。
同社は今後、この浮世絵AIを足掛かりとして、アジア全域をはじめとする世界市場へ自社の技術力を発信していく構えです。日本の伝統美と北の大地で育まれた最先端の知性が融合することで、私たちの生活はより豊かで刺激的なものへと進化していくに違いありません。札幌から世界へ、AIが紡ぎ出す新しい文化の形に、これからも目が離せそうにありません。
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