⌚️**【高級腕時計サブスク】借りて「非日常」を刻む!『カリトケ』CEOが語るシェアエコノミー深掘りの野望**

近年、消費者の間でサブスクリプション(定額制)サービスの利用が急速に拡大しています。その波は高級品にも及び、注目を集めているのが高級腕時計の定額レンタルサービス「カリトケ」です。このサービスを運営するクローバーラボ(大阪市)の小山力也CEOは、「日常の中で少しの満足、非日常を味わってほしい」という願いを込めて、潜在的なユーザーの開拓に意欲を示していらっしゃいます。モノを所有する喜びから体験する喜びへと価値観が変化する現代において、カリトケがどのような役割を果たしていくのか、その戦略を深掘りしてまいります。

小山CEOが高級腕時計のレンタル事業に着目されたきっかけは、意外にもゲーム開発ではなくオークションへの興味だったそうです。ご自身が好きなバッグのオークションを覗いた際、リユース品、つまり一度使用された商品を仕入れてレンタルすれば、十分に利益が見込めると考えたのが原点にあるとのこと。同社のゲームユーザーは男性が中心であるため、ターゲットを男性に絞り込んだところ、値崩れしづらく、場所も取らないというメリットから高級腕時計にたどり着いたと言います。サービス開始当時、国内に類似の企業はなく、米国に富裕層向けのサービスが存在する程度でした。日本はモノを「買う」よりも「共有する」時代へと向かっていると考え、富裕層ではなく一般ユーザーをターゲットとしたのは、まさに時流に乗った慧眼と言えるでしょう。

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急成長する市場と在庫確保の鍵となる「カシトケ」

2019年6月3日時点で、カリトケの登録者数は1万7千人に達しています。小山CEOは「正直、もっと多くてもいいと思う半面」と語りつつ、登録者数の伸びに在庫の確保が追いついていないという課題を抱えているようです。借りたい時計がいつでも借りられる状況を作ることが急務であり、この課題を解決するために導入されたのが、消費者から腕時計を預かり、レンタル料を支払うというユニークなサービス「カシトケ」です。これは、モノを所有する人がその価値を収益化できるシェアリングエコノミーの概念を応用したものと言えます。

カシトケは予想以上に商品が集まっているものの、まだ認知を拡大していく段階とのこと。お小遣いを増やしたいサラリーマン層への普及を目指しており、「持っているモノを人に貸すのは抵抗がある」という潜在的なユーザー心理を払拭するため、「むしろもっときれいになって返ってきた、くらいのサービスだということを分かってもらえれば」と、サービスの品質に対する自信をのぞかせました。この「カシトケ」は、腕時計ファンだけでなく、遊休資産の活用に興味を持つビジネス層からも大きな反響を呼ぶのではないでしょうか。私も使っていない高級時計があるならば、試してみたいと感じました。

カリトケの月額プランは、3,980円から19,800円(いずれも税別)の4種類が用意されていますが、意外にも人気なのは最も高価な「エグゼクティブプラン」をはじめとする上位2プランだそうです。「せっかく身につけるなら、いいものを借りたい」というユーザー心理が働いているのでしょう。利用者の約9割が男性で、30代から40代の金融や不動産関連など、仕事で日常的に高級時計を身につける機会が多い層が中心となっているようです。これは、「非日常の体験」というよりは、「日常における質の向上」を求めるニーズが高いことを示していると言えます。

体験の喜びとリアルの重要性

モノを所有したいという欲が薄れている背景には、可処分所得(自由に使える手取り収入)が上がらない中で、「資産や物を買って満足するところから、体験する喜びに変わっていっている」という社会の変化がある、というのが小山CEOの見解です。レンタルだけでなく、「試して『欲しい』となったら買える状況を作りたい」との考えから、将来的には販売サービスへの展開も視野に入れているとのこと。レンタルを購入前の試着や試用の機会と捉えることで、ユーザーの裾野はさらに広がっていくに違いありません。

また、ネット上でのレンタルが主流である中で、リアルの店舗も展開しているのは、実際に目で見て、手に取って借りるという体験がユーザーにとって「すごく重要」な動機付けになると考えているからです。実際に見ると借りたくなったり、気に入って毎月店舗で借りたりするユーザーも一定数いると言います。今後もポップアップストアや常設店舗を増やしていく方針で、このO2O(Online to Offline)戦略は、高級品を扱うサービスにおいて、信頼感を醸成し、購入意欲を高める上で非常に有効な手法でしょう。

競合との協調とサブスク市場の未来

同様のサービスを始める競合他社の登場については、「脅威と捉えるか、チャンスと捉えるか」と前置きしつつ、「競合が出てきてもらった方がいい」と、むしろ歓迎する姿勢を示しています。これは、時計を借りるというサービスの認知度を広げ、まずは母集団(潜在的なユーザー全体)を大きくすることが重要であるという考えに基づいています。まだ体験していない人に対する工夫としては、車の残価設定型モデル(購入時の数年後の下取り価格を保証する販売方式)のように、レンタル料を値引いて販売するなど、販売と連携したプランでアプローチできる層を広げていきたいとのことです。

小山CEOは、サービスを単なるリユースやシェアエコノミー(インターネットを介して個人間でモノ・場所・スキルなどを貸し借りする経済形態)の枠組みに留めるのではなく、「時計にガッツリ寄せてサービスをもっと深掘りしたい」と考えています。同社が持つユーザーの属性や利用履歴といったデータは貴重な財産であり、「一人ひとりにマッチングした寄り添うサービスを体験できるようにしたい」という、データドリブンな顧客体験の向上を目指されています。高級品のサブスクリプションという枠組みでの商材拡大には否定的で、カリトケはあくまで「時計」に特化し、その価値を最大限に引き出すことに注力していくのでしょう。

サブスクリプション市場全体については、「全部が借りて済むようになるとすごく味気ない」と感じていらっしゃいます。そのため、「日常に1つのエッセンスを入れる、そういうものを借りるとか体験するのが、僕自身は正しいあり方かな」と、「体験の質」が重要であるという見解を示されました。この市場では、最終的に「借りる価値のある物」、あるいは「日常にどうしても必要だが買いたくないもの」だけが残り、淘汰されていくとの予測です。私自身、この考えには深く同意いたします。例えば、ファッションにおいても、普段着ないような服をレンタルで試すことで「普段の自分じゃない自分を演出するため」のツールとして活用できる、という小山CEOの言葉は、モノを所有するストレスから解放され、自己表現の幅を広げるというサブスクリプションの本質を突いていると言えるでしょう。

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