アメリカのドナルド・トランプ大統領は、2019年6月2日に自身のツイッター(X)を通じて、大統領経済諮問委員会(CEA)のケビン・ハセット委員長が近いうちに退任することを公表しました。ハセット氏は、政権が掲げる「年率3%の経済成長」という野心的な目標を達成するための理論的な基盤を提供してきた、極めて重要なブレーンでした。トランプ大統領は「極めて優れた業績を残した」「真の友人に感謝している」と、その功績を称賛する言葉を述べています。
CEA委員長という役職は、大統領に対してアメリカ経済全体(マクロ経済政策)に関する専門的な助言を行う役割を担っており、その重要性から、過去にはアラン・グリーンスパン氏やジャネット・イエレン氏といった、後にFRB(連邦準備制度理事会)の議長を務めた高名な経済学者が歴任しています。ハセット氏の退任は、トランプ政権が大型減税後の新たな経済政策の方向性を探る時期と重なっており、その後の人事がどのような方針を反映するのか、大きな注目を集めることでしょう。
ハセット氏は税制の専門家として、2017年9月に政権に加わりました。そして、同年終わりに決定された**「大型減税」、すなわち法人税率の大幅な引き下げを柱とする歴史的な税制改革を立案した主要人物の一人として知られています。この政策の背景には、税率を下げることで企業活動が活発になり、結果として経済全体が成長し、逆に税収も確保できるという考え方、「ラッファー理論」**を重視する姿勢がありました。これは、トランプ政権の経済成長戦略の中核をなす思想と言えるでしょう。
今回のハセット委員長の退任表明に対し、SNS上では「大型減税の立役者がいなくなることで、今後の経済政策はどうなるのか?」といった懸念の声や、「トランプ政権の閣僚が次々と入れ替わるのは、やはり政権運営の不安定さを示しているのではないか」といった分析が飛び交っています。しかし、一方で「非常に有能な人材だったが、政権の目的は達成された」と、功績を評価しつつも次の展開に期待する意見も見受けられます。SNSの反響からも、この人事がアメリカの経済政策、ひいては世界経済に与える影響の大きさがうかがえるのではないでしょうか。
私見として、ハセット氏が推進した大型減税は、アメリカ経済に短期的には非常に大きな刺激を与えました。しかし、税収減と財政赤字の拡大というリスクも同時に抱える政策です。この減税策を「経済成長と税収確保の両立」を可能にするものとするためには、今後の経済状況と政策運営が極めて重要となってくるでしょう。ハセット氏の後任には、この減税政策の「負の側面」を抑えつつ、持続的な経済成長へと導くバランス感覚に優れた人材が求められるのではないでしょうか。トランプ大統領は、欧州訪問から帰国する2019年6月7日以降に後任人事を発表するとしています。新委員長がどのような経済学的な知見を持ち、いかに政権を支えていくのか、世界の経済界が固唾をのんで見守っている状況です。
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