2019年6月6日から7日にかけて開催される第25回国際交流会議「アジアの未来」は、アジア地域の政治・経済・社会の未来を議論する国際的な舞台です。アジア諸国から政府の要人やビジネス界のトップ、さらには学術界の知性が集い、今後のアジアの発展に向けた熱い議論が交わされるでしょう。本記事では、この注目の会議に登壇する豪華な顔ぶれ、その一部をご紹介し、彼らが持つ多岐にわたる専門性と経験に迫ります。
特に、国家の未来を左右する要人の登壇は、非常に大きな注目を集めています。例えば、ラオス首相であるトンルン・シスリット氏は、旧ソ連への留学経験を持ち、国際関係史の博士号を取得されています。ビエンチャン大学教授や労働社会福祉相などを経て、2016年から現職を務める氏の、国内外から支持を集めるバランス感覚の良さが、今回の会議でどのような発言に結びつくのか期待されます。また、フィリピン大統領のロドリゴ・ドゥテルテ氏は、2016年の就任以降、イスラム過激派との和平を推し進め、交通インフラ整備による経済成長を下支えしてきました。国民からの支持率は7割を超えるなど、その政治手腕には目を見張るものがあります。今回の登壇では、氏の考える力強いアジアの成長戦略が語られることでしょう。
タイからは、ピチェート・ドゥロンカウェロート・デジタル経済社会相が登壇されます。氏は、デジタル技術を駆使したインフラ整備をはじめ、科学技術面を中心とした国家政策の立案と実行において、確かな実績を積み重ねてきました。近隣諸国や国際機関との協調を通じた外交面での手腕も発揮されており、2016年から現職を務めていらっしゃいます。加速するデジタルトランスフォーメーション(DX:デジタル技術によって生活やビジネスに変革をもたらすこと)の波を背景に、アジアの未来をどのように描くのか、その視点に注目が集まります。さらに、ミャンマー国家顧問府相のチョー・ティン・スエ氏は、2016年のアウン・サン・スー・チー政権発足とともに就任し、主に外交面から政権を支えてきました。氏が2001年から約10年間、国際社会からの非難に晒される軍事政権下で国連大使を務めた経験は、多難な外交の舞台で培われた確かな手腕を物語っていると言えるでしょう。
世界を読み解く知性とアジアの経済界を牽引する起業家たち
国際情勢の分析においては、イアン・ブレマー氏の登壇が大きな話題を呼んでいます。氏は、アメリカのスタンフォード大学研究員などを経て、1998年に政治リスク調査会社であるユーラシア・グループを設立されました。この「政治リスク」とは、ある国の政治・社会情勢の変化が、ビジネスや国際関係に与える悪影響のことですが、ブレマー氏はこの分野の第一人者です。2007年には「ダボス会議」を主催する世界経済フォーラムから「ヤング・グローバル・リーダー」の一人に選ばれており、世界経済と政治の結びつきを鋭く分析する氏の講演は必聴でしょう。
また、アジアの経済成長を象徴する、テクノロジー分野の革新的な起業家たちも名を連ねています。中国のメイクブロックCEO、王建軍氏は、航空機設計の修士号を持つ技術者であり、2013年に同社を設立されました。同社の主力製品は、小中高生向けに自作ロボットキットとソフトウェアを提供するもので、世界各国で教育分野への導入実績を持っています。次世代を担う人材育成におけるテクノロジーの役割について、貴重な知見が得られるに違いありません。
インドネシアを代表するテクノロジー企業に成長したトコペディアのCEO、ウィリアム・タヌウィジャヤ氏も登壇されます。2009年に同社を起業した氏は、自らを「オタク」と呼び、日本の漫画にも造詣が深いという、ユニークな一面をお持ちです。急速に拡大する東南アジアのデジタル経済における、イノベーションの秘訣が氏から語られることに期待が高まります。
日本からは、最先端技術で世界をリードする実業家が登壇します。プリファード・ネットワークス社長の西川徹氏は、東京大学大学院在籍中の2006年に、競技プログラミングの世界大会で競い合った仲間とともに前身となる会社を設立し、2014年に現在のプリファード・ネットワークスを立ち上げました。最先端のディープラーニング(深層学習:AIを実現する機械学習の手法の一つ)技術の社会実装を牽引する同社の取り組みは、世界中から注目されています。
日本と世界の指導者が語る経済と外交の未来
さらに、日本の政界からは、経済財政・再生相の茂木敏充氏が登壇されます。東京大学を卒業後、丸紅や外資系経営コンサルタントを経て、1993年に初当選を果たしました。アメリカのハーバード大学院で公共政策を学んだ経験を持ち、TPP11(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)などの重要な国際交渉で、強力な指導力を発揮されてきたことで知られています。世界が保護主義的な動きを見せる中で、自由貿易の旗振り役としてアジア経済をどう牽引していくのか、氏の提言は非常に重要になるでしょう。
オーストラリアからは、前首相のマルコム・ブライ・ターンブル氏が登壇されます。2015年から2018年まで首相を務めた氏は、法人税削減などの経済政策によって、記録的な雇用拡大を達成した実績を持っています。政界に入る前は、実業家や法曹界で活躍されており、その多岐にわたる経験に基づく知見は、アジア地域における経済政策のあり方について示唆に富むものとなるはずです。
中国の元商務相である陳徳銘氏も、アジアの未来を語る重要な登壇者の一人です。江蘇省蘇州市共産党委員会書記などを経て、2007年に商務相に就任されました。日中韓のFTA(自由貿易協定)交渉などを手掛けた経験から、アジア地域での経済連携の深化、特に貿易における課題と可能性について、深く掘り下げた議論を展開されるでしょう。2018年からは南京大学の特別招請教授を務めていらっしゃいます。
この豪華な顔ぶれを見るだけでも、第25回「アジアの未来」会議が、アジアの平和と繁栄を築くための羅針盤となることは間違いありません。各国要人やビジネスリーダー、そして学術の知性が一堂に会し、多角的な視点から活発な議論が交わされることに、私も一編集者として大きな期待を寄せています。SNS上では「ブレマー氏の講演は絶対に見たい」「各国首脳の発言が楽しみ」といった声が散見され、この会議への関心の高さがうかがえます。特に、米中貿易摩擦など不確実性が高まる中で、参加者それぞれの持つ「アジアの未来像」をどう統合し、協力へと繋げていくのか、そのプロセスこそが、この会議の最大の価値となるでしょう。
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