低金利が追い風!日清粉Gが初の社債発行へ、27年ぶりの「久々組」も参戦する社債市場の熱狂

2019年07月10日現在、日本の社債市場がかつてないほどの熱気に包まれています。驚くべきことに、大手食品メーカーの日清製粉グループ本社が、企業として初めてとなる普通社債の発行を昨日09日に発表しました。これまで同社は転換社債などの実績はありましたが、純粋な借入金としての社債は意外にも今回が初挑戦となります。このニュースはSNS上でも「あの超安定企業が動いた」と、投資家たちの間で大きな話題を呼んでいるようです。

今回、日清製粉グループ本社が調達するのは、10年債と20年債を合わせて合計200億円という巨額な資金です。この資金は、2019年04月に実施されたオーストラリアの製粉大手買収に伴う短期的な借金の借り換えに充てられる予定となっています。会社側は、現在の歴史的な低金利環境において、銀行からの融資など様々な選択肢を比較検討した結果、社債発行が最もコストを抑えられる賢い選択だと判断したと明かしており、経営の合理性が際立ちます。

今回の社債の利率は、10年債で0.200%、20年債でも0.560%という驚きの低水準に設定されました。それにもかかわらず、生命保険会社や地方銀行といったプロの投資家からは申し込みが殺到したといいます。専門用語で「起債」と呼ばれるこの社債発行プロセスにおいて、投資家がこれほどまでに群がる理由は、彼らが「特定の企業に資産が偏るリスク」を避けたがっているからです。日清のような「初顔」は、ポートフォリオに変化をつける絶好の機会なのでしょう。

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半導体バブルが背中を押す?27年ぶり復活の「日東紡」など久々組が続出

日清製粉グループ本社だけではありません。ガラス繊維で有名な日東紡も、なんと1992年以来、27年ぶりとなる普通社債の発行を2019年07月中に予定しています。背景にあるのは、あらゆるモノがネットに繋がる「IoT」の普及によるサーバー需要の爆発的な増加です。サーバー内の基板材料となる特殊ガラスの増産投資に向けた、まさに攻めの資金調達といえます。長らく市場から離れていた企業が戻ってくる様子は、現在の市場の健全さを示しているようです。

さらに、素材大手の帝人も、当初の予定を上回る150億円まで発行額を増やしました。投資家の需要があまりに旺盛だったため、返済までの期間を7年から10年に延ばすという強気の対応を見せています。また、東海カーボンも2019年07月05日に初の普通社債100億円を発行しました。彼らは海外企業の買収を積極的に進めており、一時的なつなぎ融資をより安定した長期の資金に切り替えることで、足腰の強い経営基盤を築こうとしているのが見て取れます。

ここで改めて「社債」について解説しましょう。社債とは、企業が一般の投資家からお金を借りるために発行する一種の借用証書です。通常、国が発行する国債よりも利回りが高く設定されるため、銀行に預けておくよりもリターンを狙える魅力があります。最近では「グリーンボンド(環境債)」と呼ばれる、地球に優しい事業に限定した資金調達も増えています。高砂熱学工業が09日に条件を決めたこの債券には、なんと発行額の7.5倍もの申し込みが殺到しました。

2019年04月から06月期の国内社債発行額は3兆7600億円に達し、同時期としては過去最高を記録しました。米連邦準備理事会(FRB)による利下げの予感から、世界的に金利が下がるとの見方が強まっていることが原因です。投資家からすれば、利回りがさらに下がる前に、少しでも条件の良い社債を確保したいという心理が働いているのでしょう。企業にとっては史上最低水準のコストでお金を借りられる「ボーナスタイム」が到来していると言っても過言ではありません。

個人的な見解として、この社債ブームは日本企業がようやく「守り」から「攻め」の財務戦略に転換し始めた証だと感じます。これまでは内部留保や銀行融資が主流でしたが、直接市場から資金を募る社債は、投資家との対話を生み、経営の透明性を高めます。日清や日東紡のような伝統ある企業が、低金利という絶好の波を捉えて大胆に動く姿は、日本経済全体に活力を与える素晴らしい変化ではないでしょうか。今後もこの熱気はしばらく続きそうです。

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