投資家の皆様が日々注目する企業の通信簿とも言える「業績予想」。2019年07月10日、注目企業数社から今後の経営の行方を左右する重要な発表が行われました。今回の発表では、売上高や利益の数字が書き換えられる「業績予想の修正」だけでなく、株主還元に直結する「配当異動」の情報も含まれています。こうした適時開示情報は、翌営業日以降の株価を大きく動かす起爆剤となるため、一瞬たりとも目が離せません。
SNS上では、特にシステム情報の好調な数字に対して「成長の勢いが止まらない」「分割後の配当利回りに注目したい」といったポジティブな反応が相次いでいます。こうした市場の熱量を感じつつ、まずは各社の具体的な数字を紐解いていきましょう。なお、「経常利益」とは、企業が本業で稼いだ利益に、利息の支払いなどの財務活動を合わせた「実力値」を示す指標です。本業以外の要素も含むため、企業の総合的な収益力を判断する際に重宝されます。
システム情報の飛躍と各社の最新着地予想
2019年09月期におけるシステム情報(3677)の勢いは、驚異的と言わざるを得ません。同社は、売上高122億円、経常利益13億4000万円、純利益9億2000万円という極めて力強い予想を打ち出しました。特筆すべきは株主への還元姿勢で、1株あたりの配当予想を14.0円としています。2019年05月01日付で1株を2株にする「株式分割」を実施しているため、実質的には昨年度の18.0円から大幅な増配となる計算でしょう。
株式分割とは、1つの株式を細かく分けることで、投資家がより買いやすい価格に調整する仕組みを指します。システム情報のように、分割を経てもなお高い還元水準を維持する姿勢は、経営陣の自信の表れだと私は感じます。同社が得意とするITソリューション分野の需要は、今後もデジタル化の流れに乗って拡大し続けることが予想されます。こうした成長性の高い企業が、しっかりと利益を積み上げている現状は、市場全体にとっても明るい材料です。
一方で、アウンコンサルティング(2459)の2019年05月期実績は、売上高18億円、経常利益2500万円、利益2200万円での着地となりました。また、リベレステ(8887)は「単独決算(子会社を含まない親会社のみの成績)」において、売上高61億円、経常利益10億1600万円、利益10億9000万円を記録しています。リベレステの利益率の高さは目を見張るものがあり、不動産業界特有の収益構造の強みが、数字として顕著に現れている印象です。
さらに、グランディーズ(3261)の2019年06月期の中間決算では、売上高9億円、経常利益1億円、利益6500万円を見込んでいます。シー・エス・ランバー(7808)に関しては、決算期変更が伴う変則的な期間となりますが、2019年05月期において売上高78億円、経常利益3億6200万円、利益1億8600万円を達成しました。変則決算は期間の長さが通常と異なるため注意が必要ですが、それでも着実に足場を固めている様子が伺えるでしょう。
編集者の視点から言えば、今回の上方修正ラッシュは、まさに「選別投資」の時代が加速している証拠ではないでしょうか。全ての企業が一様に伸びるのではなく、独自の強みを持つ企業が明確に数字を伸ばしています。特にシステム情報のような高成長銘柄には、短期的な投機資金だけでなく、長期的な資産形成を狙う個人の熱い視線が注がれています。今後も、こうした数字の裏側にある企業の「稼ぐ力」を、鋭い視点で見守っていく必要がありそうです。