2019年07月10日の東京株式市場において、小型建設機械のパイオニアとして知られる竹内製作所の株価が、激しい向かい風にさらされる展開となりました。一時は前日と比較して11%も値を下げる1752円まで急落し、約1カ月ぶりの安値を記録しています。この背景には、前日に発表された最新の決算内容が投資家の期待を大きく下回ったことが深く関係しているようです。
2019年07月09日に公開された2019年03月01日から2019年05月31日までの連結決算によれば、最終的な儲けを示す「純利益」が前年の同じ時期と比べて2割以上も減少する26億円にとどまりました。もともと通期での減益は予想されていたものの、今回の四半期実績におけるマイナス幅が想定以上に大きかったため、市場には動揺が広がっています。SNS上でも「竹内製作所の下げがキツい」「想定外の減益幅に驚いた」といった悲鳴に近い声が散見されました。
注目すべきは、売上高自体は10%増の295億円と二桁成長を維持している点でしょう。それにもかかわらず利益が削られてしまった要因は、皮肉なことに建機業界全体の「活況」にあります。現在、国内の建設需要が非常に旺盛であるため、油圧ショベルなどの製造に不可欠な基幹部品の供給が追いつかないという事態に陥っているのです。こうしたサプライチェーンの目詰まりが、企業の収益構造に影を落としています。
生産効率の低下と米国市場の好調が示す「竹内製作所」の現在地
竹内製作所は主要なパーツの多くを外部のサプライヤーから調達する体制をとっていますが、部品不足は単なる納期の遅れだけでなく、製造現場の稼働率を下げる「生産効率の悪化」を招きました。さらに追い打ちをかけるように、希少となった部品の調達コストが跳ね上がったことも、利益率を押し下げる直接的な要因となった模様です。売れ行きは良いのに利益が出にくいという、非常に歯がゆい状況にあるといえます。
しかし、この記事を執筆している視点から見れば、悲観的な材料ばかりではありません。同社の成長エンジンである米国事業は、売上全体の約4割を占めるまでに成長しており、住宅建設向けを中心に極めて堅調な推移を見せています。現場で働く人々からの信頼は厚く、販売台数そのものは確実に伸びている事実は、製品のブランド力が依然として強力であることを物語っているのではないでしょうか。
証券アナリストの分析によれば、足元の減益はあくまで一時的な部品調達の問題に起因するものであり、この混乱が収束に向かえば業績のV字回復は十分に期待できるとのことです。現在の株価水準を示す指標であるPER(株価収益率)は8倍台と、機械セクターの平均である14倍台と比較しても、明らかに割安な水準に放置されている印象を拭えません。ここで利益率の改善が確認されれば、再び投資家が買い戻す動きが強まるはずです。
個人的な見解を申し上げれば、製造業における「部品調達難」は、その製品が必要とされている証左でもあります。目先の株価の乱高下に一喜一憂するのではなく、供給体制の立て直しという課題をどう克服していくかを見守るべき時期でしょう。世界的なインフラ需要を背景に、同社が持つ技術力が再び高く評価される日はそう遠くないと感じております。まずは次四半期に向けて、生産体制の正常化に期待したいところです。