2019年07月10日、任天堂がLINEとタッグを組んで開発した待望のスマートフォン向けパズルゲーム『ドクターマリオ ワールド』の配信がついに始まりました。白衣に身を包んだマリオがウイルスを撃退するこの作品は、かつてファミコンで親しまれた名作の魂を受け継ぎつつ、現代のモバイル環境に最適化されています。指先ひとつでカプセルを操る爽快感は、老若男女を問わず多くのユーザーを夢中にさせることでしょう。
本作には任天堂が描く非常に重要な2つのミッションが託されていると言えるでしょう。1つは、LINEという巨大なSNSインフラを活用することで、主力ゲーム機である「ニンテンドースイッチ」に興味を持つ新たな層を掘り起こすことです。そしてもう1つは、任天堂の「IP(アイピー)」、つまりキャラクターという知的財産に触れる機会を最大化し、ビジネスの土台を広げることにあります。まさに将来への布石といえる一着です。
SNS上では配信直後から「懐かしのメロディに涙が出る」「LINEの友だちと対戦できるのが新鮮で楽しい」といったポジティブな声が続々と上がっています。一方で、ゲームのスタミナ回復や有利なアイテム購入に課金が必要なシステムについては、「任天堂らしい絶妙なバランス」と評価する意見も目立ちます。誰もが気軽に始められる無料モデルを採用しつつ、深い遊びを提供しようとする同社の姿勢が、ネットユーザーの間でも大きな関心を集めています。
マリオが切り拓く「IP戦略」の未来と収益化への挑戦
ここで注目したい「IP」という言葉は、知的財産を意味するインテレクチュアル・プロパティの略称です。これはマリオやリンクといった魅力的なキャラクターたちが持つ「価値」そのものを指しています。任天堂はこのIPを単なるゲームの素材としてだけでなく、アニメやグッズ、テーマパークなど多角的に活用することで、ファンとの接点を日常のあらゆるシーンに増やそうと試行錯誤を続けているのです。
2016年に登場した『スーパーマリオ ラン』は、累計3億ダウンロードという驚異的な記録を樹立しましたが、収益の柱としては課題も残りました。課金率が1割程度に留まる現状に対し、専門家は「今回の新作も直接的な利益より、テレビCMのような宣伝効果を重視しているのではないか」と推察しています。しかし、目先の数字以上に、世界中の人々のスマホの中にマリオが存在し続けることの価値は計り知れないものがあるのではないでしょうか。
任天堂は次世代の収益源を育てるべく、2019年11月には東京・渋谷へ国内初となる直営店「Nintendo TOKYO」をオープンする予定です。さらに2020年夏には、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに「スーパー・ニンテンドー・ワールド」という新エリアも誕生します。スマホゲームを通じてキャラクターに親しんだ人々が、今度はリアルな体験を求めて足を運ぶ。こうした循環こそが、古川社長が掲げるIP活用の真の狙いであると感じます。
IT大手のグーグルやアップルがゲーム業界へ本格参入を表明し、市場の競争はかつてないほど激化しています。そんな荒波の中でも、マリオという不変のアイコンを持つ任天堂の強みは揺るぎません。ゲーム専用機の枠を超え、エンターテインメントの可能性を広げ続ける彼らの挑戦は、まさに始まったばかりです。個人的には、スマホでマリオに触れた子供たちが、いつかスイッチを手にする未来を想像すると非常にワクワクしてしまいます。
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