世界的な株高の波が押し寄せる中、日本の株式市場だけが取り残される「出遅れ感」が鮮明になっています。アメリカではニューヨークダウ工業株30種平均が史上最高値を塗り替えるなど、投資家の熱気は最高潮に達している状況です。一方で、2019年07月13日時点の東京市場に目を向けると、日経平均株価は3月末と比較してわずか2%程度の上昇に留まっており、勢いの差は歴然と言えるでしょう。
この停滞の背景には、泥沼化する米中貿易摩擦が影を落としています。世界経済の2大巨頭が衝突することで、日本の主要な輸出先である中国向けの需要が激減しました。輸出企業の収益力が削がれる中、追い打ちをかけるように外国為替市場では円高が進行しています。円高は海外で稼いだ利益を日本円に換算した際に目減りさせる要因となるため、製造業を中心とした日本企業の業績下振れに対する不安が、投資家の心理を冷え込ませているのです。
SNS上でもこの状況は大きな話題となっており、「米国株がこれだけ強いのに、なぜ日本株は上がらないのか」といった嘆きの声が散見されます。中には「日本企業の稼ぐ力が構造的に弱まっているのではないか」と危惧する投稿もあり、投資家の間では慎重な姿勢が広がっているようです。好調な米国市場を横目に見ながら、自国市場の動きの鈍さに歯がゆさを感じるユーザーが急増している様子が伺えます。
不透明な外部環境が招く業績不安と、編集部が考える日本株の処方箋
ここで注目すべき専門用語が「企業業績の下振れ懸念」です。これは、企業が期初に掲げた利益予想を達成できず、実績が下回ってしまう恐れを指します。2019年07月13日現在の状況では、米中対立という外部要因によって、この懸念が現実味を帯びてきました。投資家にとって、将来の利益が見通せない企業の株を買うのはリスクが大きすぎるため、どうしても買い注文が入りにくい地合いが続いてしまうのです。
筆者の個人的な見解としては、現在の日本市場は過度に悲観的なムードに支配されていると感じます。確かに輸出環境は厳しいものの、内需に関連する企業や、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する企業には依然として成長の余地が残されているはずです。米国株に追随できない現状は、裏を返せば「割安な銘柄が放置されている」状態とも解釈できるため、冷静な選別眼を持つことがこれからの投資戦略には欠かせません。
今後の焦点は、夏場から本格化する3月期決算企業の第1四半期発表に集まるでしょう。ここで企業側から前向きな展望が示されるか、あるいは米中関係に融和の兆しが見えるかが、日経平均株価が「2%の壁」を突破する鍵となります。世界経済の荒波に揉まれる日本市場ですが、足元の不透明感を払拭するような力強い業績回復シナリオの登場を、多くの市場参加者が切望しているに違いありません。