世界最大の自動車市場である中国において、2019年に入り、モビリティの未来を大きく左右する新たな動きが加速しています。中国政府は、電気自動車(EV)や家庭用電源で充電可能なプラグインハイブリッド車(PHV)、さらに水素を燃料とする燃料電池車(FCV)を「新エネルギー車(NEV)」と定義しました。これらの普及を強力に後押しするため、政府はメーカーに対して一定の生産・販売を義務付ける極めて厳格なルールを導入したのです。
2019年07月13日時点で注目を集めているのが、メーカーに一定比率のNEV生産を課す「NEV規制」の本格的な運用開始です。この制度は、単なる努力目標ではありません。中国国内で車両を生産・輸入する自動車メーカーは、自社の全生産台数に対して一定の「クレジット(点数)」を稼ぐことが求められます。目標を達成できない企業には厳しい罰則が用意されており、まさに業界全体が電動化への荒波に飲み込まれている状況と言えるでしょう。
もし目標に届かなかった場合、企業は二つの選択肢を迫られます。一つは、目標を大幅にクリアして余剰分のスコアを持っている他社から、その権利を「クレジット」として買い取ることです。しかし、これには膨大なコストがかかるため、収益を圧迫する要因になりかねません。もう一つの道は、中国国内でのガソリン車などの販売制限を受けるという非常に厳しい制裁です。この仕組みが、メーカー各社を急ピッチな開発へと突き動かしています。
SNS上では、この劇的な環境規制に対して驚きの声が広がっています。「中国のスピード感には驚かされる」「ガソリン車の時代がこれほど早く終わるとは思わなかった」といった意見が目立ちます。一方で、日本が得意とするハイブリッド車(HV)がこのNEV枠に含まれていないことに対し、日本の自動車ファンからは懸念や戸惑いの声も上がっているようです。まさに、世界の自動車業界の勢力図が塗り替えられようとする瞬間に、私たちは立ち会っています。
私自身の見解を述べさせていただきますと、今回の規制は中国による「産業の覇権争い」という側面が非常に強いと感じます。環境保護という大義名分を掲げつつ、既存のガソリン車技術で先行する日欧米メーカーに対抗し、自国のEV産業を一気に育成しようとする野心的な戦略が見て取れます。この2019年という年は、自動車の定義が「エンジン機械」から「走る電子機器」へと完全に移行し始めた、歴史的な転換点として記憶されることになるでしょう。
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