世界中のマネーが、地球の未来を守るための事業へと急速に流れ始めています。2019年07月14日現在の最新データによりますと、環境保護を目的としたプロジェクトに資金使途を限定する債券「グリーンボンド(環境債)」の世界全体での発行額が、大きな節目を迎えました。2019年01月から06月までの半年間で、その総額は初めて1000億ドル(日本円で約10兆8000億円)という驚異的な大台を突破したのです。
この「グリーンボンド」という言葉に馴染みがない方もいらっしゃるかもしれませんが、これは再生可能エネルギーの普及や省エネビルの建設など、環境改善に貢献する事業のためだけに発行される特別な借用証書を指します。近年、SNS上でも「自分の預金や投資が環境破壊に使われるのは嫌だ」という声が若年層を中心に広がっており、こうした市民の意識変化が、金融市場における劇的な資金シフトを後押ししている大きな要因と言えるでしょう。
機関投資家が熱視線を送るESG投資の加速と大型起債の連鎖
なぜ今、これほどまでに環境債が求められているのでしょうか。その核心にあるのは、企業の財務情報だけでなく、環境(Environment)・社会(Social)・企業統治(Governance)の3つの視点から投資先を評価する「ESG投資」の普及です。巨額の資金を動かす公的年金などの機関投資家たちが、長期的なリスクを回避するために、環境への配慮を欠く企業を投資対象から外すという、選別作業をかつてない厳しさで強めています。
投資家からの旺盛な需要を受け、世界各国の政府や民間企業もこのチャンスを逃さず、大規模な資金調達に乗り出しました。特に欧州を中心に、国単位での「ソブリン・グリーンボンド」の発行が相次いでいるほか、日本国内でも知名度の高い企業が続々とこの市場に参入しています。ネット上では「単なる流行ではなく、ビジネスの前提条件が変わった」といった専門家の意見も目立ち、市場の成熟を歓迎するムードが漂っているようです。
編集者の視点から申し上げれば、この1000億ドル突破というニュースは、単なる通過点に過ぎないと確信しています。かつては環境対策と言えば「コスト」と捉えられがちでしたが、今やそれは「持続可能な収益」を生むための最も賢明な投資先へと昇華しました。資金の流れが変わることは、社会の形が変わることを意味します。2019年という年が、資本主義がよりグリーンで責任ある形へと進化を遂げた象徴的な1年として、記憶に刻まれることは間違いないでしょう。
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