🔥【デリバリー戦争激化】出前館が赤字覚悟の「超速宅配網」を構築!Uber Eatsに対抗する勝算とは?

近年、ネット出前市場での競争が驚くほど激しさを増しています。長らくこの分野をリードしてきた「出前館」を運営する夢の街創造委員会に、楽天や、巨大なグローバル企業である米ウーバーテクノロジーズが提供する「ウーバーイーツ」といった新興勢力が猛烈な勢いで参入している状況です。各社は、顧客となるユーザーはもちろん、サービスを提供する加盟店や、根幹となる配送能力の獲得をめぐって、まさに陣取り合戦を繰り広げているのです。

この激しい競争のあおりを受け、夢の街創造委員会の業績に大きな変化が見え始めました。同社は、2019年8月期には、上場以来初めてとなる3億円の営業赤字に転落する見通しを発表しました。本来、システム開発や維持費などの投資が限定的な「プラットフォーマー」型のビジネスモデル、つまり注文が増えるほど利益が増す仕組みを強みとしていましたが、市場の評価は厳しく、同年5月30日時点の株式時価総額は、昨年9月から半減している状況です。しかし、これは単なる業績悪化ではなく、台頭する強力なライバルを振り切るための**「成長への戦略的な投資」**であると言えるでしょう。

食事のデリバリー需要は、スマートフォンの普及や共働き・単身世帯の増加を背景に、まさに伸び盛りです。調査会社NPDジャパンによると、2018年の出前市場規模は前年比5.9%増の4,084億円にも達しています。この拡大する市場をけん引してきたのが、2000年にサービスを開始した「出前館」です。複数の飲食店のメニューを一括で閲覧し、出前を注文できるポータルサイトとして、宅配ピザなどの自前の配達網を持つ大手チェーンとの提携を進め、2019年4月末時点での加盟店数は1万9,000店を突破。1日に約8万件、年間で約3,000万件もの注文を処理する業界のパイオニアとしての地位を築き上げてきたのです。

しかし、2016年9月にウーバーイーツが日本に上陸し、状況は一変しました。ウーバーイーツの最大の特長は、バイクや自転車を所有する一般の人々を「配達パートナー」として組織し、彼らが空き時間を利用して料理を運ぶという「ギグエコノミー」の仕組みを取り入れている点です。ギグエコノミーとは、インターネットを通じて単発の仕事を請け負う働き方のことで、ウーバーイーツはこのノウハウを活用し、繁忙に応じて柔軟に人員を確保することで、都市部を中心に急速に存在感を高めています。この手法は、世界最大のライドシェアサービスで培われた人員配置や料金変動の技術がベースにあるため、その影響力は非常に大きいのです。

出前館も2016年夏から宅配代行サービスを開始し、新聞配達店などと提携することで、自前の配達員を持たない中小の飲食店へ配送能力を提供しています。しかし、強力な販促を続けるウーバーイーツとの加盟店やユーザーの獲得競争は激化の一途です。このネット出前競争において、成功の鍵を握るのは「スピード」に他なりません。サイト上で表示される「待ち時間」が長くなるほど、受注率は著しく低下します。例えば、待ち時間が30分を超えると受注率は30分以下の45%に、60分にまで延びるとわずか10%にまで落ち込んでしまうのです。サービスが普及期に入った今、待ち時間が長いというユーザーの不満は、そのまま「客離れ」に直結しかねない、極めて重要な要素です。

そこで、夢の街創造委員会は、赤字覚悟で勝負に出ました。それが、需要が見込める地域で自前の配送拠点を大幅に拡充し、飲食店の出前をより効率的に、そして素早く届ける体制を構築することです。具体的には、昨夏に10だった直営拠点を、2019年8月までになんと10倍の100拠点へと増強する計画です。これと並行し、システム開発にも従来の6倍にあたる2年間で30億円という巨額の資金を投じる積極的な成長投資を決定しました。

夢の街の中村利江社長は、「利益を出そうと思えば出せる。でも今はスピードを優先すべきだ」と、その強気の姿勢を崩していません。この言葉の裏には、ウーバーイーツが採用するギグエコノミーモデルの弱点をつく戦略があります。ギグエコノミーは、雨の日などにドライバーの確保が難しくなるなど、本社がサービス品質をきめ細かく管理しにくいという課題を抱えています。だからこそ出前館は、宅配事業者との提携強化や直営拠点の拡大を通じて、「配送品質」の安定化と向上を目指し、差別化を図ろうとしているのです。

実際に、夢の街は2019年5月、マッコーリー・バンクに新株予約権を発行することで36億円を調達し、反転攻勢への準備を整えました。この思い切った投資戦略は、SNS上でも「出前館の粘り強さがすごい」「日本の市場を渡さないという強い決意を感じる」といった好意的な反応が多く見られ、期待が高まっています。しかし、経営規模で勝るウーバーに対抗し、無限に投資を続けることは現実的ではありません。だからこそ、この赤字覚悟の勝負をいかに迅速に決着させ、競争優位性を確立した上で、いち早く安定的な収益モデルを築けるかが問われています。今の夢の街創造委員会にとって、最大の脅威はウーバーイーツではなく、時間との戦いにあると言えるでしょう。

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