英ポンドが半年ぶりの安値を更新!混迷を極める「合意なき離脱」と利下げ観測の裏側を徹底解説

2019年07月16日の東京外国為替市場において、英国の通貨であるポンドが主要通貨に対して大きく値を下げ、対円では1ポンド=134円台後半を記録しました。これは同年1月に付けた年初来安値に迫る勢いであり、およそ半年ぶりの低水準となっています。5月上旬には146円台を維持していたことを考えると、わずか2ヶ月余りで急激に価値を落としていることが分かります。

このポンド全面安の背景にある最大の要因は、英国の欧州連合(EU)離脱、いわゆる「ブレグジット」を巡る深刻な不透明感にあります。2019年05月下旬にメイ首相が辞意を表明したことで事態は急変しました。次期首相の座を争う保守党の党首選では、ボリス・ジョンソン前外相の勝利がほぼ確実視されており、投資家たちの間に動揺が広がっているのです。

ジョンソン氏は、例えEU側と有利な取り決めができなくても、2019年10月31日の期限には離脱を強行する「合意なき離脱」を辞さない構えを見せています。これは、関税の復活や物流の混乱を招く最悪のシナリオとして警戒されており、SNS上でも「英国経済は崖っぷちではないか」といった懸念の声が噴出しています。こうした不安心理が、市場でのポンド売りに拍車をかけているのでしょう。

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景気後退の足音と中央銀行の苦渋の決断

さらに深刻なのは、実体経済の冷え込みです。英国内の景況感を示す指標は悪化の一途を辿っており、2019年04月から06月期に関してはマイナス成長に転落したとの見方も強まっています。企業の投資意欲が削がれ、先行きの見えない不安が国民生活にも影を落とし始めている現実は無視できません。こうした景気の悪化を食い止めるため、英イングランド銀行が動くのではないかと囁かれています。

専門家の分析によれば、中央銀行が「利下げ」に踏み切る確率は、2020年01月までに6割に達すると予測されています。利下げとは、景気を刺激するために政策金利を下げることですが、これは投資家にとって「ポンドを持つ魅力」が減ることを意味します。より高い金利を求める資金はポンドから流出し、結果としてさらなる通貨安を招くという負のループが形成されつつあるのです。

現在、通貨先物市場では投機筋による「売り持ち高(ショート・ポジション)」が、ここ10ヶ月で最大級の規模に達しています。これは、多くのプロ投資家が「ポンドはまだ下がる」と予想し、下落を見越した取引を積み上げている証拠です。編集部としては、政治的な解決策が示されない限り、この厳しいポンド安のトレンドが反転するのは容易ではないと考えています。

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