【化学業界ニュース】ポリスチレン(PS)値上げ!食品容器・家電の価格動向を左右する

化学業界で大きな動きがありました。国内大手のポリスチレン樹脂メーカーであるPSジャパン(東京・文京区)は、2019年7月1日出荷分から、ポリスチレンの価格を1キログラムあたり7円、率にして2%から4%以上引き上げることを発表いたしました。この値上げは、私たちが日々の生活で目にする食品容器や、電化製品といった幅広い製品のコストに影響を与える見込みです。

この値上げの背景には、主に原料コストの高騰があります。ポリスチレンは「PS」とも呼ばれるプラスチックの一種で、高い成形性と透明性を持つことから、インスタント食品の容器や電気製品のハウジングなど、多岐にわたる用途で使われています。その原料となるのは、主に石油から精製される「ナフサ」や「ベンゼン」といった基礎化学品です。

現在、ナフサの市場価格(スポット価格)は下降傾向にありますが、年初の1月から5月上旬にかけては持続的な上昇基調が続いていました。この期間に蓄積されたナフサやベンゼンなどの原料コストの上昇分を、製品価格に転嫁せざるを得ないというのが、今回の値上げの主な要因です。SNS上では「またプラ製品が値上がりするのか」「コスト高が消費者まで波及するのは困る」といった、家計への影響を懸念する声が早速聞かれています。

ポリスチレン樹脂の価格交渉では、通常、四半期(3ヶ月)ごとのナフサやベンゼンの価格を指標として基準にすることが一般的です。今回の動きを裏付けるデータとして、貿易統計に基づいた国産ナフサの4月から6月の価格は、直前の1月から3月の価格と比較して、1割強の上昇が見込まれている状況です。また、もう一つの主要な原料であるベンゼンについても、アジア市場における大口取引価格が7%も上昇しており、原料調達の費用が明らかに増大していることがうかがえます。

この値上げは、食品の包装材料や建材などを扱う国内の需要家との間で、現在、価格交渉の真っ只中にあると報じられています。今回のPSジャパンによる価格改定の表明は、原料費の高騰という避けられない事実を前に、日本のモノづくり産業全体が、そのコストをどう吸収し、あるいは製品価格へ反映させていくかという、非常に難しい課題に直面していることを示していると言えるでしょう。最終的な消費者価格への影響を最小限に抑えるためにも、企業の努力が強く求められます。

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