日本の経済を支える屋台骨である「輸出」に、現在も非常に厳しい逆風が吹き荒れています。2019年07月18日に財務省が公表した最新の貿易統計速報によれば、2019年06月の輸出額は前年の同じ時期と比べて6.7%も落ち込み、6兆5845億円にとどまりました。これで輸出の減少は7カ月連続という異例の事態に陥っており、回復の兆しがなかなか見えてこないのが現状でしょう。
こうした不調の最大の要因として挙げられるのが、世界中が固唾をのんで見守っている「米中貿易摩擦」の激化です。これはアメリカと中国が互いに高い関税をかけ合う貿易上の対立を指しますが、その余波は日本にも直撃しています。特に、日本の輸出全体の5割以上を占める重要なマーケットであるアジア向けが、2019年06月には前年同月比8.2%減の3兆5636億円と大きく沈み込んでいる点は見逃せません。
SNS上では「身近な製品のパーツが売れなくなっているのを実感する」といった不安の声や、「米中の喧嘩に日本が巻き込まれるのは勘弁してほしい」という嘆きが散見されます。経済のグローバル化が進んだ現代において、大国同士の小競り合いは巡り巡って私たちの生活に直結する輸出産業を冷え込ませてしまいます。2019年上期(01月から06月まで)を通してみても、約2年半ぶりに輸出が減少に転じており、景気の不透明感は一層増していると言えるでしょう。
中国市場の冷え込みとハイテク・自動車産業への打撃
特に深刻なのは、アジア経済のエンジンである中国向けの輸出が激減していることです。2019年06月の中国向け輸出は10.1%減の1兆2459億円となり、4カ月連続でマイナスを記録しました。項目別に見ると、スマートフォンの液晶パネル製造などに使われる「半導体等製造装置」が27%も減少しています。半導体とは電子機器の制御を行う、いわば機械の「頭脳」にあたる不可欠な部品ですが、その製造設備への投資が中国国内で止まっている証拠です。
さらに、日本の得意分野である自動車産業にも暗い影を落としています。2019年06月のデータでは自動車部品が前年比で30%も減少しており、生産現場の悲鳴が聞こえてくるような数字となりました。これは中国国内での新車販売の不振や、先行き不安から企業が設備投資を控えていることが背景にあると推測されます。編集部としては、特定の一国に依存しすぎることのリスクが、今回の貿易統計によって改めて浮き彫りになったと感じています。
今後の課題は、この世界的な貿易の停滞がいつまで続くかという点に集約されるはずです。企業の利益が減れば、巡り巡って私たちの給与や雇用にも影響が及びかねないため、決して他人事ではありません。政府には外交努力による市場の安定化を期待すると同時に、企業側も中国一本足打法からの脱却を模索すべき時期に来ているのではないでしょうか。2019年後半のV字回復を願うばかりですが、当面は慎重な経済状況の注視が求められます。
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