2019年7月18日、本来であれば太陽が照りつけ、瑞々しい夏果実が食卓を彩る季節ですが、市場では異例の事態が起きています。今シーズン、モモやスイカは例年以上の高値で取引が始まり、期待が高まっていました。ところが、ここに来て価格が急落する「値崩れ」が起きているのです。SNS上でも「せっかくの旬なのに、肌寒くてスイカを食べる気分になれない」といった困惑の声が広がっています。
価格下落の最大の要因は、記録的な「梅雨寒(つゆざむ)」による消費の低迷です。梅雨寒とは、梅雨の時期に移動性高気圧の影響などで気温が上がらず、ひんやりとした天候が続く現象を指します。例年なら喉を潤すスイカやメロンが飛ぶように売れる時期ですが、2019年7月前半の東京都心では、なんと33年ぶりに「真夏日(最高気温が30度以上の日)」が一度も観測されないという異常事態となりました。
東京都中央卸売市場では、現在モモやメロン、スイカの3品目が国産果実の約7割を占める主役級の存在です。しかし、2019年7月上旬の卸値を見ると、メロンは1キロ418円で前年比1割安、スイカは202円と2割も安くなっています。日照不足や低温によって生育が遅れ、出荷量自体は決して多くないにもかかわらず、それ以上に「暑くないから売れない」という需要の冷え込みが価格を押し下げている状況です。
山梨県の農協関係者によれば、2019年3月から4月にかけての低温も影響し、モモの入荷量は前年より2割ほど減っているそうです。供給が少ないため、6月中旬時点では前年より5割も高い値段がついていました。しかし、7月に入ってからの長引く雨と寒さが、その勢いに冷や水を浴びせました。消費者の購買意欲が削がれた結果、短期間で価格が1割から3割も下落するという、生産者にとっても苦しい展開を迎えています。
現場のスーパーマーケットからも悲鳴が上がっています。都内の中堅店舗では、2019年7月前半の果実全体の売上が前年より1割減少し、特に看板商品であるモモやスイカは4割も売り上げを落としているといいます。さらにお中元などの贈答用需要も1割減と振るいません。編集者の視点から見ても、季節感と購買行動は密接にリンクしており、このまま気温が上がらなければ果物離れが加速するのではないかと危惧しています。
気象庁の予報では、関東地方の2019年8月の気温は平年並みに戻るとされています。もし太陽が戻ってくれば、夏を象徴するこれらの果実たちの人気も一気に回復するでしょう。しかし、市場関係者の間では「このまま冷夏が続くのではないか」という不安も消えません。生産者の方々が手塩にかけて育てた甘い果実が、適正な価格で多くの人の元へ届くよう、一日も早い「夏本番」の到来を願うばかりです。
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