2019年07月18日、プロ野球パ・リーグのペナントレースを揺るがす大きな一戦が幕を閉じました。北海道日本ハムファイターズが、首位を走る福岡ソフトバンクホークスを相手に見事な3連勝、いわゆる「3タテ」を飾ったのです。この快進撃の立役者となったのは、今やチームの絶対的エースへと成長を遂げた有原航平投手でした。試合前、栗山英樹監督が「今日は有原を信じるしかない」と語った言葉通り、背番号16はその厚い信頼に完璧な投球で応えてみせたのです。
SNS上では、試合開始直後から「有原なら今日はいける!」「エースの意地を見せてくれ」といったファンの熱い声援が飛び交っていました。有原投手自身も「いつも以上に負けたくない気持ちが強かった」と振り返っており、その静かな闘志がマウンドから溢れ出していたのでしょう。初回こそ、味方の西川遥輝選手による先制ホームランの直後にヒットを許す場面もありましたが、動揺を見せることはありません。低めを丁寧に突く投球術で、後続を内野ゴロに打ち取る冷静さが光りました。
特筆すべきは、有原投手の完成度の高さです。もともと彼は、ストライクゾーンを広く使い、三振を奪う力と四球を与えない制球力を兼ね備えた「コマンド(狙った場所に投げる能力)」に優れた投手でした。今シーズンはその精度にさらに磨きがかかり、150キロを超える力強い速球と、打者の手元で鋭く変化する多彩な変化球を自在に操っています。デスパイネ選手や内川聖一選手といった主軸を欠いたソフトバンク打線に対し、二回から四回までを三者凡退に抑える圧巻の支配力を見せつけました。
唯一の試練は、3点のリードをもらった直後の五回裏に訪れました。ヒットとフォアボールでノーアウト一、二塁という、一打出れば試合の流れが相手に傾きかねない「ビッグイニング(大量得点の機会)」のピンチです。しかし、ここでギアを一段階上げるのが今季のエースたる所以でしょう。下位打線を力でねじ伏せ、スコアボードに「0」を刻みました。ピンチでこそ輝くその勝負強さは、かつての課題を克服し、精神的にも一回り大きくなったことを象徴しています。
結果として、有原投手は8回をわずか2安打、無失点という完璧な内容で投げ抜き、リーグ最速で10勝の大台に乗せました。2桁勝利は自身3度目となりますが、今季の安定感は過去のシーズンとは一線を画しています。6月末の直接対決で3連敗を喫した苦い記憶を払拭する、まさにリベンジの3連勝となりました。首位ソフトバンクとのゲーム差はこれで4にまで縮まり、独走状態を許さない日本ハムの執念がパ・リーグの火を再び灯したと言えるでしょう。
私自身の視点としても、有原投手の成長は日本球界にとって大きな収穫だと感じます。これまでは好不調の波が課題とされることもありましたが、今季の大一番でこれほど淡々と、かつ力強く投げ抜く姿には「真のエース」の風格が漂っています。栗山監督が「まだ差はあるがチャンスが見えてきた」と語るように、この勝利は単なる1勝以上の価値があるはずです。ここからペナントレースはさらに熱を帯び、野球ファンにとって目が離せない展開が続いていくに違いありません。
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