米中ハイテク戦争の火種「レアアース」の行方は?中国の戦略が米国を覚醒させる皮肉なシナリオ

ハイテク産業の心臓部とも言える「レアアース(希土類)」を巡り、世界情勢が激しく揺れ動いています。2019年07月21日現在、中国政府はこの貴重な資源を対米交渉の強力なカードとして位置づけ、市場での攻勢を強めています。しかし、この強硬な姿勢は自国の首を絞める「諸刃の剣」となる可能性を秘めているでしょう。

そもそもレアアースとは、スマートフォンや電気自動車(EV)のモーター、さらには軍事兵器にまで欠かせない17種類の元素の総称です。この資源の生産プロセスは、大きく分けて2つの段階が存在します。一つは地面から鉱石を掘り出す「上流工程(採掘)」、もう一つは取り出した鉱石から特定の元素を抽出・精製する「下流工程(分離・加工)」です。

現在の世界市場において、中国はこの両方の工程で圧倒的なシェアを誇っており、実質的な独占状態にあります。SNS上では「スマホが値上がりするのではないか」「日本への影響も無視できない」といった不安の声が広がっているようです。確かに、供給網を握る国が輸出を制限すれば、ハイテク製品の製造ラインが止まりかねないという懸念は現実味を帯びています。

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強まる圧力と米国の逆襲が招く新たな需給バランス

中国による資源の武器化は、一見すると米国のハイテク産業に致命的な打撃を与えるように見えます。しかし、皮肉なことにこの圧力が、眠っていた米国内のレアアース産業を再編・強化させる起爆剤となるリスクを孕んでいるのです。調達への不安を感じた米国企業や政府が、自国内での採掘や精製設備の再整備を急ピッチで進める動きを見せているからです。

かつて米国はレアアースの主要産出国でしたが、環境規制やコストの問題で中国にその座を譲り渡した経緯があります。もし中国が過度な供給制限を行えば、市場価格が高騰し、放置されていた米国内の鉱山でも採算が合うようになるでしょう。こうなると、中国の独占体制は崩れ、長期的に見れば自国の市場支配力を低下させる結果を招くことになるはずです。

私自身の見解としては、資源を政治的な交渉道具にすることの危うさを強く感じます。短期的な優位性は得られるかもしれませんが、自由貿易の精神に反する行為は、結果として代替技術の開発や他国での生産拠点の分散を加速させるだけではないでしょうか。結局のところ、過度な囲い込みは自らの競争力を削ぐことになりかねないと危惧しています。

今後、2019年07月21日を起点としたこの対立がどのように収束していくのか、目が離せません。中国の戦略が功を奏して米国のハイテク産業を屈服させるのか、あるいは米国の再産業化を助けてしまうのか。この「資源戦争」の結末は、これからの世界経済の勢力図を大きく塗り替える決定打になるに違いありません。

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