2019年06月06日、静まり返っていたマーケットに久々の動きが見られました。長期金利の代表的な指標である新発10年物国債の利回りが前日比で上昇し、マイナス0.120%(プラス0.005%)をつけています。ここ最近、債券市場では国債が買われすぎて価格が高騰し続けていたため、投資家の間で「さすがに高すぎるのではないか」という高値警戒感が広がっていました。その結果、利益を確定させようとする売り注文が優勢となり、利回りを押し上げる要因となったのです。
ここで、投資初心者の方のために少し用語の解説をしましょう。「利回りが上昇した」と聞くと、国債の価値が上がったように感じるかもしれませんが、実は逆です。債券の世界では「価格」と「利回り」はシーソーのように反対に動く性質があります。つまり、今回は「国債の価格が下落した」からこそ「利回りが上昇した」わけです。専門用語ではこれを「債券安・利回り高」と表現しますが、要するに「高くなりすぎた国債が売られて、値段が下がった」と理解していただければ問題ありません。
SNSでの反響と日銀オペへの注目
SNS上では、今回の動きに対して個人投資家たちから様々な反応が寄せられています。「久しぶりにチャートが動いた」「マイナス圏には変わりないけど、調整が入ったのは健全だ」といった冷静な分析が見られる一方で、「まだトレンド転換とは言えない」「どうせまた下がるだろう」といった慎重論も根強く、市場の迷いが透けて見えるようです。やはりマイナス金利という異常事態が常態化しているため、多少の動きでは驚かない投資家が多いのかもしれません。
また、市場がここからさらに大きく動かなかった背景には、明日7日に控えている日本銀行による「国債買い入れオペ」の存在があります。これは日銀が市場から国債を買い取る公開市場操作のことで、いわば日銀による「爆買い」イベントです。この結果次第で相場がまた大きく変動する可能性があるため、多くの市場参加者が「まずは明日の結果を見極めたい」という様子見の姿勢を強めているのでしょう。
世界との金利差と編集部の視点
海外市場に目を向けてみると、その差は歴然としています。米国の10年債利回りは2.13%、英国は0.87%で推移しており(いずれも5日の終値)、日本のマイナス0.120%がいかに異質な低水準であるかが分かります。30年債を見ても、日本が0.415%であるのに対し、米国は2.64%です。世界経済の減速懸念から各国とも金利は低下傾向にありますが、日本の低金利環境は群を抜いて厳しい状況が続いています。
私個人の意見としては、今回の利回り上昇はあくまで短期的なポジション調整に過ぎないと見ています。米中の貿易摩擦など世界的な不確実性が高まる中、安全資産とされる国債への需要は根本的には衰えていないからです。明日の日銀オペを通過した後、再び金利低下圧力が強まる可能性も十分に考えられます。私たち投資家は、日々の小さな値動きに一喜一憂せず、世界全体のマネーの流れを俯瞰する冷静な視点を持つべきでしょう。
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