2019年07月23日のロンドン外国為替市場では、イギリスの次期首相としてボリス・ジョンソン前外相が選出されるという大きな節目を迎えました。これを受けて英ポンドの対ドル相場は、1ポンド=1.24ドル台半ばを軸に、一進一退の攻防を繰り広げています。新リーダーの誕生という歴史的な瞬間でありながら、市場がどこか静かな熱を帯びているのは、今後の展開に対する緊張感の表れと言えるでしょう。
ジョンソン氏は「2019年10月31日の期限までに必ずEU(欧州連合)を離脱する」と断言しており、交渉の行方によっては「合意なき離脱」も辞さない構えです。これは、貿易のルールなどを決めないままEUを飛び出すことを指し、経済的な混乱が懸念されるシナリオを意味します。しかし、既に投資家たちの間ではジョンソン氏の就任が予測されていたため、決定直後のポンド売りに拍車がかかるような事態は、ひとまず回避されました。
SNS上では、ジョンソン氏の強気な姿勢に対して「イギリスに強いリーダーシップが戻ってきた」と期待を寄せる声がある一方で、「経済へのダメージが計り知れない」と不安を募らせる書き込みも目立ちます。特にポンド安が家計に与える影響を心配する声は多く、国民の間でも意見が真っ向から対立している状況です。このような世論の分断は、今後の政権運営において大きな壁となる可能性を秘めているのではないでしょうか。
高まる「合意なき離脱」の確率と、ポンド安への強い警戒感
金融界の巨人である米ゴールドマン・サックスは、ジョンソン氏の選出を受けて、2019年07月23日に「合意なき離脱」が現実となる確率を15%から20%へと引き上げました。EUとの再交渉について具体的な道筋が見えてこない現状では、こうしたリスク判断の下方修正は妥当なものと考えられます。私個人の見解としても、新首相の妥協を許さない姿勢は、EU側との摩擦をより一層激化させるリスクを孕んでいると感じてやみません。
英ポンドは先週、約2年ぶりとなる安値を記録しており、市場参加者の間ではさらなる価格下落への恐怖が拭いきれない状況が続いています。為替相場において、先行きの不透明感は最大の売り材料となりますが、まさに現在のポンドは「霧の中」を突き進んでいるような状態です。政治の混乱が経済を振り回す構図は、通貨の価値を不安定にし、結果としてイギリス国内の投資意欲を減退させてしまう恐れがあるでしょう。
今後の焦点は、ジョンソン氏がどのようにしてEU側から譲歩を引き出すか、あるいは国内の反対派を納得させるかにかかっています。2019年10月末の期限が刻一刻と迫る中で、ポンド相場が反転攻勢に出るのか、それともさらなる深淵へと沈んでいくのかは、まさに新政権の外交手腕にかかっていると言っても過言ではありません。一投資家、あるいはメディアの視点からも、この歴史的な転換点からは一瞬たりとも目が離せません。
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