2019年07月24日、精密機器業界を牽引するキヤコングループの主要2社から、2019年12月期の中間決算データが発表されました。今回の数字を読み解くと、グループ内でも事業ドメインによって景況感に明確な差が出ていることが伺えます。投資家の間でも「安定感がある」と評される両社ですが、足元の世界経済の不透明感が数字に色濃く反映される結果となりました。
まずは、高い技術力を誇るキヤノン電子(証券コード:7739)の業績を見ていきましょう。2019年01月から2019年06月までの売上高は444億円となり、前年同期の457億円から微減となりました。また、本業の儲けを示す営業利益に近い性質を持つ「経常利益」は43億8200万円と、前年の55億2000万円から約20パーセント減少しています。製造業を取り巻く環境の厳しさが浮き彫りになった格好です。
経常利益とは、企業が通常の活動で稼ぎ出した利益のことで、一時的な損益を除いた実力を測る指標です。同社の1株当たりの純利益は83.0円へと減少しましたが、配当金については前年と同じ中間40.0円を維持しており、株主還元への強い姿勢が感じられます。SNS上では、製造コストの上昇や市場の停滞を懸念する声がある一方で、宇宙事業などの新規分野への期待を寄せるファンも少なくありません。
対照的な伸びを見せたキヤノンマーケティングジャパンの躍進
一方で、販売・サービスを担うキヤノンマーケティングジャパン(証券コード:8060)は、非常に力強い数字を叩き出しました。2019年01月から2019年06月における売上高は3028億円に達し、前年の3005億円を上回っています。特筆すべきは利益面で、経常利益は143億4800万円と、前年同期の109億9600万円から約30パーセントもの大幅な増益を達成したのです。
この好調を受けて、同社は1株当たりの配当金を前年の25.0円から30.0円へと増配しており、好調なキャッシュフローが直接的に還元される形となりました。ITソリューションなどの高付加価値サービスが寄与したと考えられ、単なる「モノ売り」から「コト売り」への転換が成功している証拠でしょう。ネット上では「この市況で増配は心強い」といった、ポジティブなサプライズとして受け止める書き込みが目立っています。
2019年12月期の通期予想に目を向けると、キヤノン電子は売上高916億円、経常利益84億円を見込んでいます。対するキヤノンマーケティングジャパンは、売上高6220億円、経常利益312億円という意欲的な目標を掲げました。私個人としては、製造を担う電子が耐え忍び、顧客に近いマーケティングが利益を牽引する今の構図は、グループ全体のバランスとしては健全ながらも、製造部門の効率化が急務であると感じます。
複雑な国際情勢が続く2019年後半ですが、両社がどのように戦略を修正し、期末の着地を目指すのか目が離せません。特にマーケティングジャパンが掲げる通期162.0円の1株利益予測は非常に野心的であり、これが達成されればさらなる株価の刺激材料になるでしょう。今後もこの巨大グループが示す指標を、日本経済の先行指標として注視していく必要があります。
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