2019年6月6日、ドナルド・トランプ米大統領が不法移民への対策をメキシコに強く促すため表明した、メキシコからの全輸入品に対する追加関税の導入計画が、米国の政界、特に与党である共和党内で大きな波紋を呼んでいます。この大胆な政策決定に対して、米国経済に深刻な影響を与えることを懸念する議員たちから、計画を阻止するための動きが表面化しているのです。政権が最も重視する**「移民対策」と「貿易問題」という二大テーマが複雑に絡み合うこの状況は、共和党の党内結束を大きく揺るがしており、2020年の大統領選挙にも影響を与えかねない、まさに重要な局面を迎えていると言えるでしょう。
特に事態の深刻さが浮き彫りになったのは、2019年6月4日に開かれた共和党の上院議員とホワイトハウス高官による昼食会です。米メディアの報道によれば、この席で発言した議員は全員が追加関税の発動に疑念を呈し、賛成意見を述べる者は一人もいなかったというから驚きですね。共和党の上院トップであるミッチ・マコネル院内総務も、記者団に対し「党内で関税を支持する声は多くないのは確かです。関税が適用される事態は何としても避けたいと願っています」と述べ、党内の強い懸念を率直に表明しています。この動きは、トランプ政権が進める強硬な貿易政策に対する、共和党内部の不満が一気に噴出した形に見えるでしょう。
🇺🇸経済打撃を恐れる声が続出:南部議員の危機感と阻止への動き
追加関税発動の根拠として政権が利用しようとしているのは、大統領が国家の非常事態を宣言することで、外交的・経済的な脅威に対処するための権限を付与する国際緊急経済権限法(IEEPA)です。これに対し共和党内では、非常事態宣言の効力を無効化するための決議案を上下両院で可決するという対抗策が取り沙汰されています。もし決議案が可決されれば、トランプ大統領は前回同様に拒否権を発動せざるを得なくなると予測されますが、今回は前回とは比較にならないほどの強い反対の意思が議会側にあるようです。
前回、トランプ氏がメキシコとの「国境の壁」建設費用を確保するために2019年2月に非常事態宣言を出した際には、議会が宣言無効化の決議案を可決し、大統領は初の拒否権発動を余儀なくされました。その時、共和党が過半数を占める上院でも12人の議員が党の方針に反旗を翻しましたが、今回、2019年6月4日の昼食会では「前回と同じ支持が得られると期待しないほうがいい」という声が共和党議員から聞かれたと言います。これは、民主党も含めた議会全体で、関税発動阻止に向けて前回よりも強力な賛成が得られる可能性を示唆しており、予断を許さない状況になっていると言えるでしょう。
今回の対メキシコ追加関税が前回と決定的に違うのは、米国の実体経済に甚大な打撃を与える可能性が高いことです。特にメキシコとの国境に近い南部地域を選出の議員たちは、地元経済への影響に対し強い懸念を抱いています。例えば、地元紙によると、追加関税が2019年6月10日に発動され、全輸入品に5%の関税が課された場合、テキサス州内だけで10万人以上もの雇用が失われる可能性があるとされています。テキサス州選出のテッド・クルーズ上院議員は「不法移民対策の答えが、対メキシコ関税ではないのは明白です」と強い口調で述べており、地元経済への悪影響を食い止めたいという議員の危機感が伝わってきます。
🤝友好国と敵対国、決定的な違いとは?トランプ大統領の強気発言の裏側
米国はすでに中国に対して追加関税を発動していますが、中国とは知的財産権の侵害などを巡って対立関係にあります。しかし、メキシコは共和党のロムニー上院議員が言うように「友好国」であり、事情は大きく異なります。友好国に対して、移民問題という一側面を理由に貿易措置を発動することは、国際的な信用を損なうだけでなく、サプライチェーン(部品の調達から完成品の生産・販売までの流れ)の混乱を通じて、米国の製造業や消費者にも深刻なダメージを与えることになりかねません。これは、自由貿易を基本とする共和党の理念とも矛盾するのではないでしょうか。
このような党内の「反乱」の動きに対し、訪英中だったトランプ大統領は2019年6月4日、「(共和党議員が関税阻止の動きを)やらないでしょう。そんなのは愚かなことだ」と一蹴し、いつもの強気な姿勢を崩していません。しかしながら、地元経済への影響を強く懸念する共和党議員たちの足並みが乱れてしまうことは、来たる2020年の大統領選挙に向けたトランプ大統領の再選戦略に暗い影を落とすことは確実です。関税発動予定日である2019年6月10日に向けて、米墨間の交渉だけでなく、トランプ政権と共和党内の議員たちの激しい駆け引きも、今後さらに激化していくことでしょう。この重要な局面から目が離せません。
(SNSでの反響としては、特に自動車や食品などメキシコからの輸入に大きく依存する業界の関係者や、テキサス州をはじめとする南部の人々から、この関税措置が経済にもたらすであろう「破壊的な影響」**に対する切実な懸念の声が多く上がっています。中には、代替の供給元を見つけることが難しい現状を指摘し、結果的に米国消費者が関税分を負担することになるのではないかという意見もあり、この政策が与える影響の大きさを物語っています。)
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