【モスクワ発】2019年6月5日、中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領はモスクワでの首脳会談において、協力の継続を力強く確認し、激化するアメリカの保護主義的な動きに対し強いけん制のメッセージを送りました。会談後の記者会見で習主席は、具体的な国名を挙げないまでも、「保護主義が高まっている」と発言し、中国に対する追加関税で圧力を強めるトランプ米政権を厳しく批判したとみられます。米中貿易戦争が長期化する中で、両国は連携を深めることで国際社会における存在感をさらに高めていく構えでしょう。この「中ロの蜜月」ぶりは、通商問題で対立を深めるアメリカにとっては、極めて無視できない展開だといえるでしょう。
両首脳は、北朝鮮の非核化や軍縮といった地球規模の重要な課題において、今後も協調していくことを確認されました。共同声明では、イランに対するアメリカの一方的な制裁に反対する姿勢を明確に表明するなど、主要な国際問題における両国の立場の近さが浮き彫りとなっています。プーチン大統領も「主な国際問題で両国の立場はほぼ一致している」と述べ、朝鮮半島情勢の平和的な解決や、核不拡散体制—核兵器の保有国を増やさないための国際的な取り決め—の維持に、中ロがともに尽力していく姿勢を強調したのです。両首脳による「戦略的関係の強化に関する共同声明」への署名は、今後の中ロ関係の方向性を決定づける重要な一歩となったのではないでしょうか。
この歴史的な会談の枠組みでは、中ロの企業や自治体の間で、貿易やエネルギー分野をはじめとする約30もの協力文書が締結されました。特に注目を集めたのは、中国の通信機器最大手である華為技術(ファーウェイ)とロシアの通信会社が、次世代通信規格の「5G」分野で協力を進めることで合意した点です。5Gは「第5世代移動通信システム」の略称であり、超高速・大容量、超低遅延、多数同時接続といった特徴を持つ、未来の社会インフラを支える基幹技術です。この合意は、アメリカからの強い圧力を受けるファーウェイにとって、巨大市場ロシアとの連携強化という点で極めて大きな意味を持つことでしょう。
この中ロの接近に対して、当時のSNSでは「アメリカに対抗するための同盟だ」「世界のパワーバランスが変わりそうだ」といった声が多数見受けられ、特に通信技術の覇権をめぐる米中の対立が激しさを増す中で、「ロシアが5Gで中国に付いた」というニュースは大きな話題となりました。ファーウェイとロシア通信大手MTSの合意については、ロシア国内での5G試験運用を2019年から2020年にかけて開始することが主な内容であり、今後の両国の技術協力の加速を予感させるものです。
習主席は6月7日までロシアに滞在し、サンクトペテルブルクで開催される国際会議にも出席して演説を行う予定です。現在進行中の米中貿易戦争—追加関税措置の応酬による経済的な対立—の交渉が膠着状態に陥る中で、習指導部は長期戦、すなわち「持久戦」への備えを進めているものと分析できます。今回のロシア訪問は、トランプ政権への明確な対抗軸を築き上げ、国際社会における自国の立ち位置を固めるための重要な外交戦略の一環であると強く感じられます。アメリカとの摩擦が深まるほど、中ロ両国の結束はさらに強固になっていく可能性が高いと見ることができるでしょう。
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