世界中の買い物体験を塗り替えてきた巨大IT企業、アマゾン・ドット・コムが2019年07月25日に発表した最新の決算は、市場に驚きと期待を同時に与えるものとなりました。2019年04月から06月までの四半期における純利益は、前年同期比で4%増となる26億2500万ドル(日本円で約2800億円)を記録しています。増益を維持している事実は流石の一言ですが、これまでのような爆発的な伸びに比べると、今回はやや足踏みをした印象を受けるかもしれません。
この利益の伸びが緩やかになった背景には、主力であるネット通販事業において実施された大規模な攻めの姿勢が隠されています。現在、アマゾンは米国全土で「翌日配送」の対象地域を急速に拡大させており、物流網の再構築に莫大な資金を投じている状況です。SNS上では「注文した翌日に届くのは魔法のようだ」と利便性を歓迎する声が上がる一方で、「ドライバーの負担やコスト面は大丈夫なのか」といった、持続可能性を懸念するシビアな意見も散見されます。
ここで注目すべき専門用語として「物流コストの先行投資」が挙げられます。これは将来的に顧客を囲い込み、他社を圧倒するために、あらかじめ配送センターの増設や人件費などの経費を集中させて支払う戦略のことです。今の利益を削ってでも未来のシェアを買いに行くという、ジェフ・ベゾス氏らしい強気の経営判断といえるでしょう。しかし、この投資が重荷となり、利益率を一時的に圧迫しているのは紛れもない事実のようです。
さらに見逃せないのが、実店舗の王者である米ウォルマートとの熾烈なシェア争いでしょう。ウォルマートもオンライン販売に力を入れ、アマゾンの牙城を崩そうと猛追を仕掛けています。私個人の見解としては、利便性の追求は消費者にとって素晴らしい恩恵をもたらすものの、この「配送スピード競争」が過熱しすぎることで、物流現場の疲弊を招かないか注視する必要があると感じています。過度な効率化の先にある、サービスの質とコストの均衡が今後の焦点となるはずです。
投資家たちの間では、今回の増益幅が市場予想を下回ったことに厳しい視線が注がれていますが、これはアマゾンが次なる進化を遂げるための「産みの苦しみ」の最中にいるからではないでしょうか。翌日配送という新しいインフラが確立されれば、再び利益が急加速するフェーズが訪れるに違いありません。巨大な物流の変革期に立ち会っている今、2019年の後半に向けて同社がどのような次の一手を打つのか、目が離せない展開が続いていきそうです。
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