2019年6月6日に自動車販売の業界団体から発表された5月の国内新車販売台数(軽自動車を含む)は、前年同月比で6.5%増加し、39万6,120台を記録しました。これで2カ月連続でのプラス成長となっており、国内の自動車市場は堅調な動きを見せています。この販売増を牽引したのは、登録車(排気量660cc超)が4.8%増の24万7,338台、軽自動車が9.5%増の14万8,782台と、ともに2カ月連続で前年同月を上回ったことが大きい要因でしょう。日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)がまとめたデータからも、市場全体の底堅さがうかがえますね。
しかしながら、ブランド別に見ると、この好調な流れに乗り切れていないメーカーもあります。その代表格が日産で、軽自動車が大きく販売を伸ばしたにも関わらず、全体では2.9%減の4万374台となり、2018年12月以来、6カ月連続で前年実績を下回る結果となりました。この販売減の背景には、主に登録車の落ち込みがあり、これが軽自動車の好調な伸びを相殺してしまったかたちだと言えるでしょう。SNS上では「日産のブランドイメージって、まだ回復してないの?」といった、イメージ悪化を懸念する声が多く見受けられます。
日産の不振の大きな要因としては、元会長であるカルロス・ゴーン被告の逮捕に端を発する企業イメージの悪化が挙げられます。これが2018年12月以降、前年割れが続く要因の一つになっていると考えられます。一方で、スズキも4月に検査不正に伴う大規模なリコール(回収・無償修理)を発表しましたが、全体では0.4%増の5万4,328台とわずかながらプラスを維持しました。しかし、登録車(排気量660cc超の自動車)だけに限定すると、2017年8月以来、実に21カ月ぶりに前年実績を下回っており、こちらもイメージ低下によるマイナス影響が見え始めたと分析できるのではないでしょうか。
そんな中でも、日産が2019年3月に6年ぶりのフルモデルチェンジを実施した軽自動車の主力モデル「デイズ」は、非常に好調な滑り出しを見せています。「デイズ」には、軽自動車としては初めて、同一車線内で前方車に追従して走行したり、車線の中央を維持したりする運転支援機能が搭載されました。この機能は、長距離運転の疲労を軽減し、安全性を高める技術であり、プロパイロットといった愛称で知られる日産の先進技術への期待が販売増に繋がったと推測されます。実際、5月の軽自動車販売は、前年同月比26.3%増の1万4,974台と大幅に伸びており、新車投入による効果は絶大であると言えるでしょう。
しかしながら、この軽自動車の伸びを、登録車が補えなかったのが日産の課題です。登録車の販売台数は14.6%減の2万5,400台と大きく落ち込みました。新車効果で軽自動車を大きく伸ばしても、その他の主要な車種で販売が伸び悩んでいる状況は、ブランド全体での信頼回復と魅力的な新型車の投入が急務であることを示唆しています。私見ですが、軽自動車での先進技術の採用は素晴らしい一歩ですが、企業としての信頼回復はより多角的なアプローチが必要な段階にあると感じます。
なお、5月の新車販売の増加率6.5%は、4月の3.4%よりも伸びていますが、これは前年と比べて営業日である「登録稼働日」が2日間多かった影響が大きいようです。そのため、2019年10月に予定されている**消費税率の引き上げを見越した「駆け込み需要」**については、いまだ目立った動きは見られないと自販連は分析しています。このことから、市場はまだ本格的な駆け込みムードには至っておらず、今後の動向を注視していく必要があるでしょう。
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