米中貿易戦争が自動車業界を直撃!「25%関税」の荒波とCASE革命に揺れるサプライチェーンの行方

2019年7月26日現在、米トランプ政権が引き起こした貿易摩擦の火の手が、日本の屋台骨である自動車部品メーカーを激しく揺さぶっています。中国からの輸入品に課される高額な制裁関税は、部品メーカーの収益を圧迫し、これまでの生産体制を根底から見直さざるを得ない事態へと発展しました。SNS上でも「これからの車はもっと高くなるのか」「日本の技術力が政治の道具にされている」といった、将来への不安や懸念の声が数多く噴出しています。

特に衝撃を与えているのが、2019年5月に実施された、2000億ドル分にものぼる対象品目への関税率25%への引き上げです。この措置により、これまで中国で製造して米国へ輸出していた自動車部品の多くが、採算の取れない厳しい状況に追い込まれました。企業側は指をくわえて見ているわけではありません。パイオラックスのように中国から米国へ生産拠点を移す「現地化」を急ぐ動きや、ヨコオやミツバのようにベトナムへ拠点を移管する決断が相次いでいます。

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拠点の再編を急ぐ各社の苦悩と「CASE」への焦燥感

ホンダ系のケーヒンでは、中国生産から日本国内での生産に切り替えて米国へ出荷する「日本回帰」の動きも見せていますが、これに伴う影響額は2020年3月期に6億円規模に達する見込みです。また、河西工業のように日本を経由して加工を施すことで関税を回避しようと模索する企業も現れましたが、25%という数字は、企業の経営努力だけで吸収できる限界を優に超えています。現場の経営者からは「先が見通せない」という悲鳴にも似た言葉が漏れているのが実情です。

こうした急激なサプライチェーン、つまり「部品の調達から製造、配送までの一連の流れ」の再構築を急ぐ背景には、自動車業界が100年に一度の変革期にあるという事情が存在します。現在のキーワードは「CASE」です。これは、コネクテッド(接続性)、オートノマス(自動運転)、シェアリング(共有)、エレクトリック(電動化)の頭文字を取った造語で、これからの自動車に求められる次世代技術を指しています。この分野での遅れは、即座に企業の死を意味します。

しかし、米中貿易戦争への対応に貴重な経営資源や時間を奪われれば、IT企業などの新興勢力との開発競争に取り残されてしまいます。完成車メーカーと比較して資金力に乏しい部品サプライヤーにとって、関税によるコスト増とCASE対応への巨額投資という二正面作戦は、まさに企業存続をかけた薄氷を踏むような舵取りと言えるでしょう。編集部としては、こうした政治的な不確実性が、日本の誇るモノづくりの進化を阻害している現状に強い危惧を抱いています。

日米交渉の行方と迫りくる「232条」の脅威

さらに懸念されるのは、もう一つの「25%」です。トランプ大統領は安全保障を理由に輸入を制限できる「通商拡大法232条」を盾に、日本からの自動車や部品にも高関税を課す可能性を示唆しています。2019年5月にはその判断が180日延期されましたが、2020年の米大統領選に向けたパフォーマンスとして、再び強硬姿勢に転じる恐れは拭えません。参院選を終えて2019年7月24日から再開された日米貿易交渉の結果次第では、さらなる激震が走るでしょう。

世界的な新車販売の低迷も、追い打ちをかけています。最大市場である中国では12カ月連続で販売数が前年を割り込み、米国や少子高齢化が進む日本市場も先細りが懸念されています。貿易戦争、CASE革命、そして世界的な需要減という三重苦に直面する中で、日本の部品メーカーがどのような成長戦略を描けるのか。まさに今、サプライチェーンのあり方を根底から再定義する力が試されています。私たちは、この荒波を乗り越えるための知恵と決断を注視していく必要があります。

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