日本のエネルギー事情に新たな風、いえ「新たな潮流」が吹き込もうとしています。総合重工大手のIHIは2019年07月25日、鹿児島県沖に流れる巨大なエネルギーの源「黒潮」を活用した、水中浮遊式海流発電システムの実証実験を本格的に始動させると発表しました。これは大規模な海流発電システムとしては世界初の試みとされており、再生可能エネルギーの歴史を塗り替える一歩として大きな注目を集めています。
SNS上では「ついに黒潮を電気に変える時代が来たか」「日本は資源大国になれるかもしれない」といった期待の声が続出しており、島国である日本の立地を活かした発明に、多くの人々が胸を熱くさせているようです。太陽光や風力に続く「第3の矢」として、海流発電はまさに理想的な選択肢といえるでしょう。2021年度以降の商用化を目指すという具体的なロードマップも、実現性の高さを物語っています。
「海の中の風車」が24時間止まらない電気を作る仕組み
今回公開された装置は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との共同開発によるもので、重さは約30トンにも及びます。この巨大な発電機を2019年08月初旬に横浜事業所から鹿児島県十島村の口之島沖へと運び、水深100メートル付近に浮遊させる計画です。海流の力を受けた後方のプロペラが回転することで、100キロワット程度の電力を生み出し、海底ケーブルを通じて陸地へ送電する仕組みとなっています。
海流発電の最大の強みは、その驚異的な「設備利用率」の高さにあります。これは、ある期間中にフルパワーで発電し続けた場合に対して、実際にどれだけ発電できたかを示す指標です。太陽光が10から15パーセント、洋上風力が30から40パーセントに留まる中、海流発電は50から70パーセントという極めて高い数値を誇ります。天候や昼夜に左右されず、常に一定の方向に流れる海流は、安定したベースロード電源としてのポテンシャルを秘めているのです。
筆者の視点から述べれば、この技術は単なる発電手段を超えた、日本の「エネルギー自給率」を劇的に改善する鍵になると確信しています。四方を海に囲まれた日本にとって、黒潮は神様からの贈り物のようなものです。これまではその勢いの強さゆえに制御が困難とされてきましたが、IHIの最新技術によって「荒ぶる海」が「恵みの海」へと姿を変える瞬間を、私たちは今まさに目の当たりにしているのではないでしょうか。
2017年に実施された1週間程度の短期実験を経て、今回は1年以上の長期スパンで耐久性を検証します。浮体の傾きを細かく調整する制御プログラムの導入や、水の流れを整える「整流板」の増設など、過酷な環境に耐えうる改良が施されました。鹿児島沖から始まるこの挑戦が、将来的にアメリカ東海岸や台湾といった世界各地へ展開される日も遠くありません。2019年秋の運転開始に向けて、日本の技術力が世界を驚かせる準備は整いました。
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