NTT東日本が挑む「農業×IoT」の未来!ローカル5GとAIで農家を救うNTTアグリテクノロジーの全貌

2019年07月01日、通信大手のNTT東日本が農業のあり方を根底から変える大きな一歩を踏み出しました。あらゆるモノがインターネットにつながる「IoT」技術を駆使した新会社、NTTアグリテクノロジーを設立したのです。これまでの通信インフラ提供という枠組みを超え、自ら農場を運営して課題解決に挑むこの試みは、SNS上でも「大手通信社が本気で農業をデジタル化するのか」と大きな期待と注目を集めています。

代表取締役に就任した酒井大雅氏は、新会社設立の狙いを「通信を売るのではなく、顧客の課題を解決すること」だと力説します。現在、日本の農業界は高齢化や事業承継といった深刻な壁に直面していますが、最新のデジタル技術による効率化はまだ道半ばです。そこで、自らが山梨県内に最先端の農場を建設し、ITを駆使した効率化モデルの有効性を自ら実証することで、全国の農業従事者をサポートできる強力な仕組みを構築しようとしているのです。

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AIとセンサーが導く「スマート農業」の衝撃とは

2020年度に山梨県で始動する農場は、高さ5メートル、面積1ヘクタールという広大な規模を誇る太陽光利用型の水耕栽培施設です。ここで栽培されるのは、1年間に10回近い収穫が見込めるレタスやキュウリです。特筆すべきは、ハウス内に張り巡らされた高精度のセンサー群でしょう。温度や湿度、さらには植物の成長に欠かせない二酸化炭素量を常に監視し、最適な光合成が行われるよう天窓の開閉まで自動で制御される仕組みです。

さらに、未来を予測する人工知能(AI)の活用も見逃せません。過去の蓄積データに基づいた1カ月先の収穫予測に加え、農場内に設置したカメラ画像をAIが解析することで、なんと「翌日の収穫量」まで高い精度で算出します。この「スマート農業」と呼ばれる手法は、これまで生産者の長年の「勘」に頼っていた部分を可視化するものであり、不安定な農業経営に安定した見通しをもたらす画期的なソリューションと言えるでしょう。

この取り組みを支える通信技術として、次世代規格の「ローカル5G」の導入が検討されています。ローカル5Gとは、特定のエリアで独自に構築できる超高速・低遅延の無線ネットワークのことです。広大な農地に無数のWi-Fiアクセスポイントを設置する手間を省き、たった一つの基盤で広域をカバーできる可能性を秘めています。これは、まさに広大な大地を舞台にする農業にとって、理想的な通信インフラの姿ではないでしょうか。

農業を核とした「農業エコシティ」という壮大な夢

酒井社長の構想は、単なる作物の栽培に留まりません。ローカル5Gの特性を活かし、将来的には収穫物を自動で運搬する無人車両の走行など、農場全体のオートメーション化を目指しています。さらには、この技術を核として地域全体を活性化させる「農業エコシティ」という街づくりのビジョンまで描いています。農業のデジタル化が、地域社会全体のインフラをアップデートする起爆剤になるという考え方は、非常に夢がありますね。

気になる売上目標は、5年後に50億円、10年後には100億円という野心的な数字を掲げています。その収益の大部分は農作物の販売ではなく、農家向けのシステム提供によるものだとされています。これは、あくまで農家と同じ目線に立ち、現場で磨き上げた本物の技術を届けるという「伴走型」のビジネスモデルを象徴しています。地域の農家と競合するのではなく、共に成長していく姿勢には、大手企業としての矜持を感じずにはいられません。

2019年09月から10月にかけて農場の建設が始まり、2020年06月にはいよいよ栽培がスタートする予定です。初出荷は同年07月ごろを予定しており、日本の食卓に「通信技術が育てた野菜」が並ぶ日はもうすぐそこまで来ています。伝統的な農業と最先端のテクノロジーが融合し、どのような化学反応を起こすのか。NTTアグリテクノロジーが描き出す「新しい日本の農業」の景色に、今後も目が離せません。

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