🚀「円安こそ正義」は幻想か?20年にわたる日本の輸出競争力と為替相場の真実を徹底検証!

2019年6月7日現在、日本経済は「円高恐怖症」とでも言うべき状況にあります。為替相場の変動は、1ドルあたりで考えれば、企業が得る為替差益も家計が負担する為替差損も理論上は同じはずです。にもかかわらず、多くの人々が円安を好み、円高を恐れるのはなぜでしょうか。それは、円安によって生じる差益の大部分が企業部門の収益となる一方で、差損の一部を家計も負担するため、国全体の企業収益総額は円安時の方が大きくなるという構造的な理由があるからでしょう。

日本においては、輸出数量が増加すれば生産数量も拡大し、景気全体が上向くという大局観があります。このため、日本の輸出の価格競争力を高める円安は「望ましい」とされ、逆に円高が進むと、決まって景気対策が検討されるのが長年の常態です。しかし、本当に円安は日本経済にとって最優先すべき万能薬なのでしょうか。

過去20年弱の期間、具体的には2000年から現在に至るまでを振り返ってみると、海外の多くの国々で物価が約1.6倍に上昇し、所得もそれ以上に増加することで、国民の実質的な豊かさが増したと考えられます。それに対し、日本では物価水準も国民の所得水準もほとんど横ばいで推移しているのが実情です。この結果、海外の人々にとって日本のモノやサービスは、年々、相対的に安価になり、「買いやすい」状態が続いていることになります。別の言い方をすれば、日本の輸出価格競争力は、この約20年間で飛躍的に高まっているはずなのです。

実際に、この期間に実質為替レート(物価変動の影響を考慮した為替の購買力を示す指標)は約4割も下落しました。これほど円が実質的に安くなっているにもかかわらず、日本の輸出は依然として劣勢にあります。世界の輸出数量がリーマン・ショック前のピークを2割強も上回っているのに対し、日本はようやくそのピーク水準に戻ったに過ぎません。中長期的な視点から、ドル円相場と輸出数量の関係を見ても、「円安が進めば輸出が増える」とは断言できないのが現実なのです。

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「円安が景気を良くする」という幻想からの脱却を

極論かもしれませんが、「円安が景気を良くする」という考えは、もはや幻想であると言わざるを得ません。企業収益の総額が増加したとしても、その利益が企業部門に留まり、従業員への還元や積極的な事業拡大に使われなければ、景気は決して良くはなりません。SNS上でも、「#為替の真実」といったハッシュタグで、「円安の恩恵を感じない」「賃金も上がらなければ、結局生活は苦しくなるだけだ」といった、企業収益と家計の間に生じている乖離に対する不満や疑問の声が散見されます。

現在、日米間の貿易協定交渉において「為替条項」が加わることを恐れる意見があります。これは、金融政策が円安誘導という隠れた意図を持っているため、その自由度が縛られることを懸念しているからでしょう。しかし、日本経済が本当に強く、持続的に成長するためには、いつまでも円安最優先の経済政策に固執していては、真の活力を得ることはできないのではないでしょうか。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの研究理事、五十嵐敬喜氏も指摘するように、私たちは「円安さえあれば大丈夫」という依存心から脱却し、構造的な競争力を高める議論へとシフトすべきでしょう。

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