2019年07月30日現在、世界の金融市場は大きな転換点を迎えようとしています。日本銀行の金融政策決定会合と、アメリカの連邦公開市場委員会(FOMC)という二大イベントを目前に控え、投資家の間ではある「逆説的なシナリオ」が現実味を帯びてきました。それは、米国が利下げに踏み切る一方で、日本の金利が逆に上昇するという驚きの展開です。
通常、世界最大の経済大国であるアメリカが金利を下げれば、他国の金利もそれに追随して低下するのが一般的な流れと言えるでしょう。しかし、現在の日本市場には特有の火種が潜んでいます。SNS上では「米国の利下げは日本にとって追い風になるはずでは?」「なぜ日本だけ金利が上がる可能性があるのか」といった、困惑や先行きの不透明感を嘆く声が数多く投稿されています。
この不可解な現象を解き明かす鍵は、日本の短期国債市場を支える「海外投資家」の動向にあります。実は、日本の短期国債(発行から1年以内に満期が来る国の借金)の約7割は、海外の投資家によって保有されているのが現状です。彼らは日本で運用すること自体が目的ではなく、ドルを円に交換する際の「おまけ」として、一時的な資金の置き場に国債を利用しています。
海外勢の「日本国債離れ」が引き起こす相場波乱のメカニズム
日本の機関投資家が外国の債券への投資を控えると、市場でのドル需要が減少します。すると、これまでドルを提供して円を受け取っていた海外勢の手元に円が回らなくなり、結果として日本国債を買い支える力が弱まってしまうのです。専門的な視点で見れば、これは需給バランスが崩れることで債券価格が下落し、反比例して金利が跳ね上がる「需給主導の上昇」を意味しています。
私は、今回の局面は非常に危ういバランスの上にあると感じています。日銀がどれほど低金利を維持しようと躍起になっても、市場の7割を占める海外マネーが一斉に引き揚げれば、コントロールは困難を極めるでしょう。政府や中央銀行の意図とは裏腹に、外部要因によって国内の金利が勝手に動き出すリスクは、我々の生活や企業の資金繰りにも影を落としかねません。
世界的な金融緩和の波に逆行する形で、日本の金利だけが不自然に浮上する可能性は、まさに「相場の嵐」の前触れかもしれません。2019年07月30日のこの状況を注視すると、教科書通りの動きを期待するのは禁物であると痛感させられます。投資家のみならず、私たちはこの異常事態がもたらす資産価値の変動に対し、今まさに警戒を強めるべき時期に来ているのではないでしょうか。
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