プラスチックごみの削減に向け、いよいよレジ袋の有料化が現実味を帯びてきました。2019年6月6日、当時の原田義昭環境相が日本経済新聞社のインタビューに応じ、その具体的な導入方針について言及しました。最大の特徴は、レジ袋の有料化への対応を、一律ではなくスーパーやコンビニエンスストアなどの業界ごとに求める考えを示した点です。これは、各業界が抱える独自の事情に合わせて、よりスムーズに制度を導入できるようにする狙いがあるものです。
原田環境相は、有料化の価格設定や、有料化によって生じる収益金の使い道についても、業界別で定めることを求めました。収益金については「(環境対策で)収入の一部を使うことにしてほしい」と話し、その使途を行政側が注視していく姿勢を明確にしています。また、状況によっては行政指導を行う可能性にも言及しており、業界の自主性に任せつつも、国の指導も視野に入れた運用を目指すようです。
この有料化の動きは、同年6月3日の会見で、原田環境相が2020年以降にプラスチック製レジ袋の無料配布を一律禁止する方針を打ち出したことを受けてのものです。環境相は今回のインタビューで、「まず無造作に捨てられるレジ袋は抑えなければならない」と述べ、その最大の目的は、深刻化するプラスチックごみの減量にあると説明しました。レジ袋そのものの使用を禁止するような強い規制については、「消費者が選択する話」として、現時点では導入しない考えです。
しかし、制度の導入にあたっては、業界団体に所属しない個人店舗など、事業者の規模や形態による対応の難しさが指摘されています。これに対し、環境相は「(さまざまな業種と)いろいろ話を聞きながらやることになる」と述べており、小規模店舗や素材の違いなど、制度の例外を設ける可能性を視野に入れ、今後有識者会議で慎重に検討していく見通しです。柔軟な制度設計が求められるでしょう。
また、この問題で注目が集まっているのが、自然界で微生物の働きによって水と二酸化炭素などに分解される生分解性プラスチック(生分解プラ)製のレジ袋の扱いです。環境への負荷が少ないとされる生分解プラ製のレジ袋まで一律に無料配布を禁止するのかという疑問に対し、環境相は「(例外も)検討していく」と答えており、区別して扱う可能性を示唆しています。個人的には、環境に配慮された素材については、消費者への普及を促す観点からも、例外として検討すべきだと考えます。
有料化に向けた法整備の在り方も焦点です。「新法というのは大がかりすぎる」との見解から、レジ袋という狭い範囲での新たな法律の制定は見送る方向で、容器包装リサイクル法(容リ法)などの既存の法律の改正が有力視されています。これは、環境法を専門とする早稲田大学の大塚直教授が「容リ法の改正が現実的」と指摘している点とも一致しており、法整備の迅速化と整合性の観点から理にかなっていると言えるでしょう。
なお、日本国内で年間使用されるレジ袋は約20万トンと推計されており、これは廃プラスチック全体のわずか約2%に過ぎません。この数字から見ても、レジ袋の有料化は、あくまでプラスチックごみ問題解決の第一歩であり、象徴的な意味合いが大きいと言えます。環境相は、食品トレーなどの他のプラスチック製品の扱いについては「一概に決められない」と述べるにとどめており、今後、レジ袋以外の廃プラスチック対策も議論されることが期待されます。
SNSでの反響と今後の展望
このレジ袋有料化の方針は、SNS上でも大きな反響を呼んでいます。「レジ袋が有料になることで、マイバッグ(エコバッグ)を持つ習慣が定着すれば、環境問題への意識が高まるに違いない」といった賛成意見が多く見受けられます。一方で、「わずかな量でしかないレジ袋だけを規制しても、大きな効果はないのではないか」「生活必需品であるレジ袋を有料化するのは、家計への負担増につながりかねない」といった懐疑的な意見や、費用負担への懸念も示されています。このような国民の関心の高まりを、さらなる環境対策への機運へとつなげていくことが重要でしょう。
原田環境相のこの発言は、レジ袋有料化という大きな政策を、現場の事情に配慮しつつ、段階的かつ柔軟に導入していくという国の姿勢を示したものです。価格や運用方法が業界ごとに異なる「業界選択制」というアプローチは、国民生活への影響を最小限に抑えつつ、制度を円滑に進めるための現実的な策であると評価できるでしょう。2020年からの本格実施に向けて、今後の有識者会議での詳細な検討結果に注目が集まっています。
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