2019年6月7日に公開された本記事では、中央大学教授の岡嶋裕史氏が、世界を変革する可能性を秘めた技術である「ブロックチェーン」について、その本質を分かりやすく解説しています。多くの人がブロックチェーンと聞くと、まずは「ビットコイン」を思い浮かべることでしょう。実際、ブロックチェーンはこの暗号資産を支える基幹技術として一躍有名になりました。しかし、その正体は単なる投機の道具ではなく、次世代の社会インフラの中核を担う技術として、今、大きな期待を集めているのです。
ブロックチェーンは、データを記録・蓄積する方法の一つですが、一般的なデータベースと比べると、その仕組みがきわめて透明性が高いのが特徴です。透明性が高いとはどういうことかというと、記録されたデータが誰にでも確認できる状態にあり、不正な改ざんが非常に難しいということです。この革新的な透明性こそが、「改ざんが困難な記録」を可能にするブロックチェーンの真価であり、様々な分野での応用が期待されています。
一方で、その高い期待値が先行しすぎたため、ブロックチェーンがあまり得意ではない分野に無理やり適用されてしまい、利用者を幻滅させてしまうケースも散見されます。また、その専門的な響きから、残念ながら投資詐欺のような怪しい案件とセットで語られることも少なくありません。しかし、技術の真価を見極めるためには、その光と影、つまり「ビットコインの基盤技術」「次世代インフラへの期待」「過度な期待や詐欺利用」といった、現時点でのあらゆる側面を理解しておくことが、きわめて重要になってきます。
「衆目にさらす」ことで守られるお宝の秘密
岡嶋教授は、ブロックチェーンの透明性と安全性の仕組みを説明するにあたって、大変興味深い例を挙げています。それは、漫画『ルパン三世』に登場する、銭形警部が大切なお宝を風船に入れて宙に浮かべてしまうエピソードです。警備の常識から考えると、お宝を厳重な金庫に隠すのではなく、あえて衆人環視の状態に置くというのは、まさに**「正気の沙汰ではない」ように思えるでしょう。
しかし、実はこの「衆目にさらす」ことこそが、強固なセキュリティを生み出す鍵なのです。なぜなら、厳重に管理された大金庫であっても、ルパンは必ずその管理者になりすまして内部から宝物を盗み出してしまうからです。これに対し、お宝が空中に浮かび、多くの人の目(衆人)に常にさらされている状態、すなわち衆人環視(しゅうじんかんし)であれば、誰かが変装して近づいたり、こっそりすり替えたりすることは不可能になります。
この状況は、ブロックチェーンが持つ「透明性」と「分散管理」の概念によく似ています。ブロックチェーンでは、データは特定の管理者ではなく、ネットワークに参加する不特定多数のユーザー**(ノードと呼ばれるコンピュータ)によって共有・監視されています。そのため、一部のノードが結託して不正を働こうとしても、他の多数のノードの監視によって即座に検知され、無効化されてしまうのです。これがブロックチェーンの根幹を成す**「分散型台帳技術」**であり、データを守る最も効果的な方法であると、私は考えます。
SNS上でも、「ブロックチェーンの仕組みをルパン三世で例えるのは天才的!」「今までで一番分かりやすい説明」といった反響が多く見られ、この比喩が専門性の高い技術を理解するための大きな助けとなっていることが窺えます。このように、技術の本質を捉えた魅力的な例え話を通じて、読者の方々も「みんなが見守る中で、すり替えることも盗むこともできないお宝」というイメージを共有し、ブロックチェーンの真の姿に迫ることができるでしょう。
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