🔥東京2020目前!スポーツ界のガバナンス改革、焦点の理事任期制限10年が組織運営にもたらす波紋とは?

2020年東京オリンピック・パラリンピックの開幕まで残り413日となった2019年6月7日、スポーツ界の健全な未来に向けた大きな一歩となる「ガバナンスコード」の素案が固まりました。このコードは、相次ぐスポーツ団体の不祥事を防ぐための運営指針で、2020年度からの運用が予定されています。特に注目を集めているのは、中央競技団体(NF)の理事の任期制限についてです。素案では原則10年とされ、5年後の2024年度までの適用を目指すという、非常に踏み込んだ内容になっています。

組織運営の透明性や刷新を目指す上で、理事の任期に制限を設けることは、人事の固定化を防ぎ、風通しの良い組織を作るためには当然の結論と言えるでしょう。しかし、この改革の実現は決して容易ではありません。現実に運用を開始すれば、国内のNFから強い反発を招き、大きな混乱を招く可能性があります。SNS上でも、「ようやく本腰を入れたか」という歓迎の声と同時に、「現場を知らない改革は、かえってマイナー競技を潰す」といった、現場の人材不足を懸念する声が上がっているのが現状です。

NFが反発する最大の理由は、やはり人材の確保が難しいという点にあります。現在、多くのNF役員はボランティアとして無報酬で活動しています。仕事を持ちながら、スポーツ団体の運営に深く関われる人材は限られており、これが結果として特定の人物による内向きな運営や長期在任を招く要因となってきました。十分な人材養成プログラムや、有給役員を雇うための財源(資金)確保策がないまま任期を制限してしまえば、特に競技人口の少ないマイナー団体では、組織の担い手が不在となり、活動の維持すら危うくなる事態も考えられるため、懸念は非常に合理的です。

スポーツ庁もこれらの事情を理解しているため、コードの順守を「義務」として一律に課してはいません。だからこそ、その運用基準があいまいで分かりにくいという指摘も出ています。「すべての規定がすべてのNFに適用されるとは限らない」「NFは自らに適用することが合理的でないと考える規定については、対外的にも理解が得られるような合理的な説明をすることが求められる」といった表現は、統括団体側の裁量が大きく、運用の一貫性が保てるのかという疑問を抱かせてしまいます。

このガバナンス改革において、最も厳しい立場に置かれるのは、国内のNF全体を統括する日本オリンピック委員会(JOC)、日本スポーツ協会、そして日本障がい者スポーツ協会の統括3団体です。これらの団体は、コードに基づいて各NFの適合性を審査し、指導や助言、改善支援を行うだけでなく、場合によっては処分を下す責任まで負うことになります。ガバナンスコードが単なる「絵に描いた餅」で終わるのか、それとも実効性を持つ改革となるのかは、この統括3団体の判断と覚悟にかかっていると言えるでしょう。

これは、国からの介入(口出し)を防ぎ、スポーツ界が自らの手で規律を保つ自治を守ったとも言えますが、その反面、統括団体にのしかかる責任は計り知れません。さらに言えば、NFを審査する統括3団体自身も、このコードを順守するためのハードルは決して低いものではありません。旧態依然としたボランティア運営の弊害は20年以上も前から指摘されてきたもので、スポーツの価値が急速に高まった時代に、古いやり方を続けてきたツケが今、回ってきているのです。

筆者の意見としては、このガバナンス改革は、スポーツ界全体がよりプロフェッショナルな組織へと進化するための、避けては通れない道だと確信しています。改革は一足飛びには進まず、ゆっくりと着実に進めるしかないでしょう。だからこそ、NFもアスリートも、そして私たちメディアや熱心なファンも、スポーツ界のガバナンス(組織の管理体制)に対して、常に厳しく、しかし建設的な視線を向け続けることが、何よりも大切だと考えます。この注目と継続的な議論こそが、スポーツ界の真の未来を形作る力となるでしょう。

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