【東大調査】生活保護受給者の「頻回受診」問題に迫る!孤立・外国籍・無職の方の医療費適正化の鍵は地域とのつながりか?

生活保護受給者の医療費は、私たちの税金で賄われる公的負担、つまり国民全体で支えられています。この医療費について、一部の受給者が「必要以上に医療機関に通う」頻回受診をしている実態が、東京大学や千葉大学などの研究グループによる調査で明らかになりました。この調査結果は、医療費の適正化という観点からも、看過できない重要な問題提起となっています。

研究グループは、2016年時点で生活保護を受給していた6,016人を対象に追跡調査を実施し、そのうち2.3%にあたる139人が、同じ病気で月に15日以上も医療機関に通う「頻回受診」をしていたことを突き止めました。この頻回受診が、特に特定の属性を持つ人々に集中していることが、分析から見えてきました。

具体的な分析結果を見てみると、単身で暮らす独居の受給者は、同居者がいる人に比べて頻回受診をする割合が1.51倍も高いという結果でした。また、外国籍の方は日本国籍の方の1.84倍、そして就労していない方は就労している方の1.96倍と、顕著に高い割合を示しています。さらに、年齢が上がるにつれて頻回受診の割合が高まる傾向も確認されており、社会的な背景が深く関わっている可能性が浮き彫りになりました。

驚くべきことに、頻回受診をしている方々が、そうでない受給者と比べて、より慢性的な疾患にかかっていたり、受診のたびに重い病気だと診断されるといった傾向は特に見られなかったのです。この事実から、頻回受診の主な動機は「真の病気の重さ」ではない、という別の側面が強く示唆されます。

研究グループの近藤尚己・東大准教授は、この結果について「社会とのつながりを求める高齢者などが、病院を居場所として捉えているのではないか」と分析されています。つまり、独居や無職といった社会的な孤立を抱えやすい状況にある人々が、医療機関での交流や関わり合いを求めている可能性がある、という見解です。病院が単なる治療の場としてだけでなく、「コミュニティ」の役割を担ってしまっている現状があるのかもしれません。

この調査結果は、SNSなどでも大きな反響を呼んでいます。「医療費の無駄遣いだ」と厳しく指摘する意見の一方で、「孤立している人たちが頼れる場所が病院しかないという現状が悲しい」「医療費適正化のためにも、まずは地域社会で孤立を防ぐ取り組みこそが必要だ」といった、受給者の抱える社会的な背景に理解を示す声も多く寄せられています。単に医療費削減の議論に留まらず、福祉や地域づくりといった多角的な視点から、この問題に切り込む必要性が高まっていると言えるでしょう。

厚生労働省は、2015年度の生活保護受給者の医療扶助費が1兆8,000億円に上ったことを2017年末に発表しており、この費用負担の増大に対する対策は急務です。そのため、2018年度からは、保健師などが頻回受診の可能性がある受給者が医療機関に行く際に同行し、受診の必要性や適切な医療利用を促す取り組みを開始しています。これは、受給者本人の健康管理と、公的医療費の適正化を両立させるための重要な一歩と評価できるでしょう。

私自身の考えとしては、近藤准教授が指摘するように、**「地域での居場所づくり」**こそが、この問題の最も根本的な解決策になると強く感じています。医療機関を「居場所」として機能させてしまうのは、医療本来の役割から逸脱しており、結果として国民全体の医療費負担を増大させることにつながります。医療費適正化という目標を達成するためには、孤立しがちな生活保護受給者の方々が、地域社会の中で安心して過ごせる居場所や、社会的なつながりを持てる機会を創出していくことが、何よりも重要になるのではないでしょうか。

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