通信の歴史を塗り替えるといわれる次世代規格「5G」の商用サービスが、いよいよ2020年に幕を開けようとしています。この大きな転換点を前に、私たちのスマートフォンを舞台にした視聴時間の奪い合いが、これまでにないほど激化していることをご存じでしょうか。インターネットを通じて映像を届ける配信事業者と、これまでお茶の間の主役だった地上波放送局が、いまやその垣根を完全に取り払い、熾烈なシェア争いを繰り広げているのです。
この「5G」とは、現在主流の4Gに比べて「超高速・大容量」「低遅延」「多数同時接続」という圧倒的なスペックを持つ通信システムのことです。動画のダウンロードが瞬時に終わるだけでなく、ライブ映像のズレがほとんどなくなるため、スポーツ中継などの臨場感は飛躍的に高まるでしょう。SNS上では「格闘技やサッカーの試合がストレスなく見られるのは嬉しい」「外出先でも画質を気にせず動画を楽しめる時代が来る」といった期待の声が早くも溢れています。
こうした技術革新を追い風に、スポーツ特化型の動画配信サービス「DAZN(ダゾーン)」などの事業者は、独自の魅力的なコンテンツを次々と強化しています。テレビでは放送されないニッチな競技や、ファンが熱狂するようなオリジナル番組の充実は、視聴者をテレビモニターからスマートフォンの画面へと誘う強力な武器となっているのです。もはや、好きな時に好きな場所で、最高のクオリティの映像を楽しむスタイルは、現代のスタンダードになりつつあると言えるでしょう。
地上波テレビの逆襲とAR技術がもたらす新しい視聴体験
一方、これまでメディアの王座に君臨してきた地上波テレビ各社も、この急激な変化に指をくわえて見ているわけではありません。彼らが特に注力しているのが、AR(拡張現実)を活用した全く新しい番組開発です。ARとは、現実の風景にデジタル情報を重ね合わせる技術を指し、スマートフォンをかざすと画面内のキャラクターがリビングに現れるような体験を提供します。テレビを見るという行為を、単なる受動的なものから体験型のエンターテインメントへと昇華させようとしています。
さらに、放送局が危機感を強めている背景には、放送と同時にネットでも番組を流す「常時同時配信」への本格的な参入準備があります。2019年08月01日現在、各局はテレビを持たない若年層をどう取り込むかに知恵を絞っており、放送エリアの制限を超えたコンテンツ展開を急いでいます。ネットの即時性とテレビの制作力を融合させる試みは、メディアの在り方を根本から再定義する可能性を秘めており、私たちのライフスタイルに劇的な変化をもたらすに違いありません。
個人的な見解を述べさせていただくと、この競争は単なる「視聴率の奪い合い」ではなく、ユーザーの「可処分時間」を巡る戦いだと考えています。5Gの普及によって、移動中や隙間時間の価値がさらに高まる中、いかにユーザーの心を一瞬で掴むかが勝負の分かれ目となるでしょう。メディア側が一方的に流す情報を消費するだけの時代は終わり、私たち視聴者が自分に合った最適なメディア体験を選択し、カスタマイズしていくワクワクするような未来がすぐそこまで来ています。
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