「あったらいいな」をカタチにする。そんな独自の経営哲学で知られる小林製薬が、2019年8月1日に最新の連結決算を発表しました。2019年1月から6月までの上半期において、同社は純利益が前年同期比で8%も増加し、82億円に達したことを明らかにしています。この数字は、消費環境が激しく変化する中で、非常に力強いものとして注目を集めているのです。
今回の決算発表において、特に驚きをもって受け止められたのが営業利益との対比でしょう。本業の儲けを示す営業利益は、前年同期比で2%減少の114億円という結果になりました。しかし、それを最終的な純利益でのプラスへと押し上げたのは、巧みな事業ポートフォリオの整理でした。SNS上では「本業が苦しくても、しっかり利益を残す手腕がさすが」といった驚きと称賛の声が上がっています。
具体的に利益を押し上げた要因として、保険代理店事業を売却したことによる「事業譲渡益」が挙げられます。これは、自社が展開していた特定のビジネスを他社へ引き継ぐことで得られる利益のことです。今回、小林製薬は約6億円という多額の資金を特別利益として計上しました。特別利益とは、その期だけに例外的に発生した臨時の収益を指し、これが最終的な利益を大きく底上げした要因となります。
インバウンド消費の陰りと、小林製薬が示す次なる一手
一方で、売上高については1%増の736億円という微増に留まりました。これには、これまで業績を力強く牽引してきた「インバウンド需要」の失速が色濃く反映されています。インバウンドとは、日本を訪れる外国人旅行者による消費活動を指す言葉です。特に中国などからの観光客がドラッグストアで同社製品を大量購入する「爆買い」が有名でしたが、この勢いにブレーキがかかったことが営業利益の減少に影響しました。
私自身の見解を述べさせていただくと、今回の決算は小林製薬にとって大きな転換点になるのではないでしょうか。これまでの「観光客頼み」の成長モデルから脱却し、事業売却による資産の最適化を図る姿勢からは、次なる成長に向けた筋肉質な経営への意志が感じられます。インバウンドが落ち着きを見せる中で、いかにして新たな「あったらいいな」を国内や海外の現地市場で生み出し続けられるかが、今後の株価や信頼を左右するはずです。
SNSでは「サカムケアやアンメルツのような定番商品の強さは健在」というポジティブな意見がある一方で、今後の成長性を冷静に見守る投資家の声も散見されます。2019年後半に向けて、同社がどのような新機軸を打ち出し、私たちの生活を便利にしてくれるのか期待が高まります。2019年7月31日に示されたこの決算書は、変化を恐れず進化を続ける企業の、力強い意志表示そのものだと言えるでしょう。
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