【富士シティオ】医薬品販売から撤退し食の専門性を追求!神奈川の老舗スーパーが描く2019年の生き残り戦略とは

神奈川県を拠点に地域住民の食生活を支える食品スーパー「FUJI」を運営する富士シティオが、大きな経営の舵を切りました。2019年08月01日、同社はこれまで一部の大型店舗で展開してきた医薬品の店頭販売から、全面的に撤退することを明らかにしています。この決断は、競争が激化する小売業界において、自社の強みをどこに置くのかを明確にする戦略的な一手といえるでしょう。

これまで同社は、全約50店舗のうち「大型店」と位置づける十数店舗において、薬のプロである薬剤師や登録販売者を配置し、医薬品を提供してきました。登録販売者とは、一般用医薬品の販売に必要な専門資格であり、これまでは利便性を追求するためにこうした人材の確保に注力してきたのです。しかし、今後は順次すべての拠点で販売を終了し、経営の軸足をより専門的な分野へと移していく方針を固めました。

具体的なスケジュールとしては、すでに2019年07月18日に三崎店での取り扱いを終えており、続く2019年08月には上大岡店など3店舗、さらに本郷台店でも近いうちに販売を停止する予定です。SNS上では「買い物のついでに薬が買えなくなるのは少し不便」「地域のFUJIがより食に特化するのは楽しみ」といった、利便性を惜しむ声と専門性向上への期待が入り混じった反応が寄せられています。

富士シティオは、コンビニ大手のスリーエフを生み出した母体としても有名ですが、近年は総菜に特化した新形態の店舗「デリド」を積極的に展開するなど、食のトレンドを敏感に察知してきました。今回の撤退は、ドラッグストアやコンビニとの差別化を鮮明にする狙いがあると考えられます。あえて医薬品を手放すことで、得意とする生鮮食品や総菜といった「食」のカテゴリーに、ヒト・モノ・カネという経営資源を集中させる構えです。

2019年10月に控える消費税増税は、多くの生活者にとって節約志向や「生活防衛意識」を高める契機となるに違いありません。こうした社会情勢を見据え、同社は本業である食材部門を磨き上げることで、他社には真似できない価値を提供しようとしています。単なる「何でも揃う店」から「美味しい食材が必ず見つかる店」へと進化を遂げる同社の姿勢は、まさに生き残りをかけた潔い選択だと私は感じます。

個人的な見解を述べれば、現在の飽和した市場において「選択と集中」は不可欠な戦略です。スーパーが薬を売る便利さよりも、食卓を彩る圧倒的な鮮度や独創的な総菜が求められる時代へとシフトしているのでしょう。富士シティオが医薬品の代わりに、どのような魅力的な食の提案を見せてくれるのか、これからの店舗リニューアルや商品展開に大きな注目が集まることは間違いありません。

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