茨城県水戸市に拠点を置く金属加工のエキスパート、菊池製作所が、自社設計・開発の垂直搬送機「チェーンウェイター」に大きな注目を集めています。同社は、半導体生産用装置から医療機器、さらには発電関連の部品まで、幅広い分野で培ってきた、設計から溶接、組み立てに至るまで一貫して行える強みが最大の武器となっています。その確かな技術力を背景に、社会貢献を視野に入れた自社製品の開発に、いま情熱を注いでいる状況です。
この「チェーンウェイター」は、その名の通り、強固なチェーンを用いて物を上下に運搬する昇降機です。大がかりなモーター部を必要としないため、設置に余分なスペースを取らない点が大きな魅力といえるでしょう。飲食店はもちろんのこと、一般住宅や工場など、多様な場所での活用が見込まれています。波場将人社長は、金属加工に加え20年以上にわたる建築業の経験から、施工の容易さを追求し、「誰でも簡単に組み立てられる」設計にこだわったと語っています。移動式であるため取り外しも可能で、2人作業であればわずか4時間ほどで設置が完了する手軽さも特筆すべき点です。
✨「人が乗れる昇降機」へ広がる夢と技術的挑戦
菊池製作所は、このチェーンウェイターのシリーズとして、2019年内に超低床型の新しい昇降機を開発する計画を持っています。これもチェーンを用いた基本的な原理は同じですが、昇降部分を普段は住宅の床下40センチメートルというわずかなスペースに収納でき、最大で高さ約4メートルまで運搬できる設計を想定しているとのことです。しかし、同社の描く将来構想は、これに留まりません。それは、誰もが驚く「人が乗れる昇降機」の開発です。
特に、車いすを利用する方々が住居の2階に上がる際などに使用することを想定しており、生活の質の向上、つまりQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の改善に大きく貢献することが期待されます。波場社長は「部品製造から一貫して施工まで行ってきたベースがある」ため、技術的には実現可能であるとの強い自信を示しています。しかし、人を乗せる装置となるため、安全基準や構造に関する「法規」といった、克服すべき課題がまだ多く存在することも事実です。同社は外部の専門家からの助言も受けながら、その実現に向けて邁進する決意を固めています。
SNS上では、この「チェーンウェイター」のシンプルな構造と設置の手軽さ、そして将来の「人が乗れる昇降機」への展望に対し、「画期的なアイデアだ」「高齢化社会においてニーズは非常に高いだろう」といった、期待を込めた好意的な反響が多く見受けられます。これまで企業間取引(BtoB)が中心だった同社ですが、波場社長の「お客様が喜んでくれるものづくりを通じて社会貢献をしたい」という長年の夢が結実した自社製品への意気込みは非常に強いものです。しかし、その挑戦の根幹は、これまで培ってきた金属加工という「王道を崩すことなく展開していく」という、堅実な姿勢にあります。
この菊池製作所の技術と挑戦は、特に住宅内での移動補助が求められる現代において、新しい解決策を提示するものとなるでしょう。法規制という大きな壁を乗り越え、同社の「人が乗れる昇降機」が実現することを、心から応援したいものです。