【タイ進出】萩原工業が勝負をかける!東南アジアで急増するフィルム需要に対応する「メンテナンス専門子会社」設立の狙いとは?

岡山県に本社を構える萩原工業は、2019年6月7日、タイの首都バンコクに機械メンテナンスを専門とする子会社を設立したと発表しました。この動きは、東南アジア市場、特にタイを中心とした地域で高まり続ける食品包装用フィルムの需要に、よりきめ細かく対応していくための戦略的な一手と言えるでしょう。同社にとって海外子会社はすでに12社ありますが、今回のように「メンテナンス」を専門とする拠点を設けるのは、これが初めての試みとなります。

なぜ今、萩原工業はメンテナンス専門子会社を設立したのでしょうか。その背景には、東南アジアにおけるフィルム加工機械の需要の急増があります。ペットボトルや菓子類などに使われる食品包装用フィルム(食品を衛生的に保ち、長期保存を可能にするための重要な素材)の消費量が、経済成長著しいタイなどで飛躍的に伸びています。これにより、同社が製造・販売しているスリッター(フィルムや紙などの素材を、指定の幅に正確に裁断する機械)や、リワインダー(裁断・加工後のフィルムを、自動で決められた張力で巻き取る機械)といったフィルム加工機械の販売台数が、この地域だけで累計100台を突破するほどの人気ぶりなのです。

SNS上でも、「顧客重視の姿勢は素晴らしい」「売って終わりじゃなくて、その後のサポートが強化されるのは安心材料」といった好意的な意見が多く見受けられ、ビジネスにおけるアフターサービス(製品を販売した後の保守・修理などのサービス)の重要性が改めて注目されています。機械の販売台数が増えれば増えるほど、故障や不具合への対応、そして定期的な点検の必要性が高まります。しかし、従来の体制では、販売とメンテナンスを兼任せざるを得ず、顧客への対応速度や質を維持することが難しくなってきていたと推測されます。

そこで萩原工業は、競合他社に先駆けて、このメンテナンス体制を徹底的に強化するという決断を下しました。専門の子会社を設立することで、機械の定期点検や緊急時の修理といったアフターサービスや、きめ細やかな顧客管理(顧客情報に基づき、良好な関係を築き、販売促進につなげるための活動)を充実させることが可能になります。これは単なるサービス向上にとどまらず、手厚いサービス力を前面に押し出した販売・営業ネットワークの強化に直結する、非常に巧妙な戦略と言えるでしょう。

筆者は、この萩原工業の取り組みを高く評価します。日本の「ものづくり」の技術力は世界でもトップクラスですが、それと同じくらい、製品を長く安心して使ってもらうための「サービス力」もまた、海外市場で勝ち抜くための重要な武器となります。今回のメンテナンス専門子会社の設立は、技術力の高さと、それを支えるサービス体制の両輪で、東南アジアという巨大市場でのシェア拡大を確実にするための、非常に賢明で魅力的な一手であると言えるでしょう。

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