2019年08月01日、イギリスのイングランド銀行は金融政策委員会を開催し、政策金利を年0.75%のまま据え置くことを全会一致で採択しました。この「政策金利」とは、中央銀行が一般の銀行に融資する際の金利のことで、景気の温度感を調節する極めて重要な指標です。世界的に利下げの波が押し寄せる中、イギリスは独自のスタンスを維持する形となりました。
今回の決定の背景には、イギリスが欧州連合(EU)から円滑に離脱するという前提が存在しています。中央銀行は、このシナリオが実現すれば将来的には「緩やかで限定的な利上げ」が必要になるとの強気な見通しを崩していません。しかし、一方で米中貿易摩擦などの国際的な火種もあり、2019年と2020年の経済成長率予測については、下方修正を余儀なくされています。
SNS上では「他国がどんどん利下げしているのに、イギリスだけ据え置きなのは強気すぎるのでは?」といった驚きの声が目立ちます。特に、アメリカやアジア諸国の利下げラッシュとの対比に注目が集まっているようです。投資家の間でも、ジョンソン政権の発足によって「合意なき離脱」の現実味が帯びてきたことを不安視する投稿が相次ぎ、緊張感が高まっています。
混迷を極めるEU離脱とカーニー総裁の苦悩
2019年07月下旬に就任したジョンソン首相は、10月末の期限に間に合わせるため「合意なき離脱」も辞さない構えを見せています。これを受けてカーニー総裁は、2019年08月01日の記者会見にて、合意なしに離脱に至る確率が5月時点よりも格段に上昇したという厳しい認識を明らかにしました。事態はまさに、経済の崖っぷちに立たされていると言っても過言ではありません。
もし強引な離脱が現実のものとなれば、自国通貨であるポンドが急落し、輸入価格の高騰から物価が上昇する恐れがあります。一方で景気は冷え込むため、中央銀行は「物価高を抑えるための利上げ」と「景気を支えるための利下げ」という、相反する板挟みの状況に陥るでしょう。雇用と経済を守るために最善を尽くすとの決意が述べられましたが、その舵取りは困難を極めるはずです。
編集部としては、今回の中銀の判断は「嵐の前の静けさ」を保つためのギリギリの選択だったと考えています。景気が不透明な中で金利を動かすのは極めてリスクが高く、政治の行方が定まるまでは静観せざるを得ないのが本音でしょう。しかし、アジアの新興国が次々と利下げに踏み切る中で、この孤高の維持が吉と出るか凶と出るか、今後も注視していく必要があります。
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