東芝が挑む「グローバル基準」の経営刷新!取締役会を年8回へ半減し、攻めの中長期戦略へシフト

経営再建の道を歩んでいる東芝が、組織のあり方を根本から見直す大胆な一歩を踏み出しました。同社はこれまで、重要な経営判断を行う「取締役会」を頻繁に開催してきましたが、その回数を劇的に削減することを決定したのです。2019年06月までの1年間には合計19回も開かれていた会議を、今後1年間ではわずか8回程度にまで絞り込むといいます。これは単なる効率化ではなく、危機対応から持続的な成長フェーズへと舵を切る、象徴的な転換点となるでしょう。

これまでは、アメリカの液化天然ガス(LNG)事業の売却といった、緊急性の高い懸案事項が山積みでした。そのため、どうしても会議の回数が増え、目先の課題解決に追われる側面があったのです。しかし、経営危機という荒波を乗り越えつつある今、細かい事業報告は事前の説明で済ませる体制を整えました。これにより、取締役会という最高意思決定機関の場を、東芝の未来を左右する中長期的な戦略立案に特化させることが可能になるはずです。

この改革を主導する車谷暢昭会長兼最高経営責任者(CEO)は、2019年08月02日までに日本経済新聞の取材に応じ、その真意を語りました。新生・東芝の強みは、2019年06月の定時株主総会を経て発足した、極めて国際的な取締役の顔ぶれにあります。全12人の取締役のうち、実に10人が社外取締役であり、その中には4人の外国人が含まれています。社外取締役が8割を占めるという、日本企業としては極めて稀な「グローバル布陣」を敷いたのです。

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「物言う株主」との対話から生まれた日本型経営の新モデル

東芝がここまで徹底したガバナンス改革を進める背景には、2017年の増資によって海外投資家が株主の約7割を占めるようになったという事情があります。「物言う株主(アクティビスト)」からの厳しい刷新要求に対し、同社は対立ではなく対話を選びました。株主側から提案された候補者とも真摯に面談を重ね、実力重視の人選を行った結果が、現在の強力な取締役会です。自らのガバナンスをオープンにすることで、信頼を勝ち取ろうとする姿勢が伺えます。

実際に、米国の主要500社の取締役会は年間平均8回程度で運営されており、日本の平均である約14回と比較しても効率的です。社内からも「会議が多すぎる」との声が出ていた状況を打破し、海外基準に合わせることで、東芝は日本の企業経営における「モデルケース」を目指しています。SNS上では「これこそが本来のガバナンスだ」と期待を寄せる声がある一方で、「回数を減らして議論の質を保てるのか」という慎重な意見も飛び交っています。

2019年04月から始動した新しい中期経営計画では、社会インフラと人工知能(AI)などのデジタル技術を融合させた、高付加価値なサービスの強化を掲げています。今後のM&A(企業の合併・買収)についても、安易に大型案件に手を出すのではなく、自社の技術を深掘りする方針です。私は、かつての技術大国・東芝が「自社の風土に合った研究開発」を軸に据えたことは、非常に賢明な判断だと考えます。独自の知見を持つ社外取締役の視点が、その決断を支える大きな力となるでしょう。

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