通信インフラの立役者として知られる古河電気工業が、2019年8月1日に発表した最新の連結決算において、苦境に立たされている現状が浮き彫りとなりました。2019年4月1日から2019年6月30日までの期間における純利益は、前年同期と比較して31%も減少した22億円に留まっています。この大幅な利益減の背景には、同社の屋台骨を支えてきた主力事業を取り巻く厳しい環境の変化が密接に関係しているようです。
業績不振の最大の要因として挙げられるのが、光ファイバー事業における市場環境の悪化です。世界的に光ファイバーの需要が一段落したことで、業界内では激しい価格競争が巻き起こっています。光ファイバーとは、ガラスやプラスチックの細い線を利用して光信号で情報を送る技術であり、現代のインターネット社会に欠かせない高速通信の「道」となる素材です。この分野での単価下落が、同社の収益を大きく圧迫する結果となりました。
また、スマートフォンの市場動向も影を落としています。スマホ向け電子部品の出荷が伸び悩んだことも、利益を押し下げる一因となりました。さらに、将来の成長を見据えた研究開発費の投入や、設備投資に伴う「償却費」の負担が増加したことも見逃せません。償却費とは、高額な設備などを購入した際に、その費用を一括ではなく数年に分けて費用として計上する仕組みのことですが、これが一時的に帳簿上の利益を削る形となっています。
SNS上では、このニュースに対して投資家や業界関係者から多くの反応が寄せられました。「5G時代の本格到来を前に、今は耐え時なのではないか」という期待の声がある一方で、「光ファイバーのコモディティ化、つまり製品の差別化が難しくなり価格勝負になる現象が予想以上に速い」と危惧する意見も散見されます。通信技術の革新が速すぎるゆえに、メーカー側がそのスピードに対応し続ける難しさを痛感させられる内容といえるでしょう。
編集者の視点から分析すると、今回の減益は決して悲観すべき材料ばかりではないと感じます。目先の数字は厳しいものの、研究開発費を惜しまず投じている姿勢は、次世代の通信革命をリードしようとする攻めの姿勢の表れでもあるからです。価格競争に巻き込まれない付加価値の高い製品をいかに早く市場へ投入できるか。古河電気工業がこの難局をどう乗り越え、V字回復を描くのか、今後の戦略から目が離せません。
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