2018年の世界における船舶の建造量は5886万総トンを記録し、前年と比較して13%減少する結果となりました。かつてないほどの激動期を迎えている造船業界ですが、その中心で激しいシェア争いを繰り広げているのは韓国と中国の企業勢です。現在、世界の海を舞台にした覇権争いは、一部の巨大企業による独占的な構図へと塗り替えられようとしています。
特に注目すべきは、韓国の最大手である現代重工業と大宇造船海洋が経営統合に踏み切ったニュースでしょう。この2社が一つになれば、世界シェアの約15%を握る巨大な「メガ造船所」が誕生することになります。さらに中国においても、政府主導で大手2社が統合に向けた協議を加速させており、まさに業界全体が巨大な再編の渦に飲み込まれている状況といえます。
こうした中韓の動きに対し、SNS上では「圧倒的な規模の経済で攻められたら、日本企業は太刀打ちできないのではないか」といった不安の声が広がっています。また、韓国政府による手厚い公的支援が市場の公正な競争を妨げているという指摘も多く、日本の造船ファンや関係者の間では、今後の国際的なルール作りに対する関心が急速に高まっているようです。
巨大化する中韓勢の脅威とWTO提訴に踏み切った日本の決断
韓国政府による過剰な介入を重く見た日本政府は、2019年に入り、世界貿易機関(WTO)に対して提訴を行うという異例の事態に発展しました。ここで重要となる用語が「WTO(世界貿易機関)」です。これは国と国の間の自由な貿易を促進し、ルール違反を取り締まる国際組織のことですが、日本は韓国の支援策が不当な補助金にあたると強く主張しています。
日本勢の中で唯一、世界シェアの上位5社に食い込んだのが、愛媛県に本拠を置く今治造船です。同社は4位タイという好成績を収めていますが、他の日本企業は中韓勢の低価格攻勢に苦戦を強いられているのが実情でしょう。液化天然ガスを運ぶLNG船のような、高度な技術が必要で単価の高い「高付加価値船」の受注を目指していますが、競争は激化の一途をたどっています。
私自身の見解としては、単なる価格競争に陥るのではなく、日本独自の「環境技術」という付加価値で勝負することが不可欠だと考えています。世界的に環境規制が厳しくなる中で、二酸化炭素の排出を抑えたクリーンな船舶へのニーズは確実に高まるはずです。今後は、燃料消費を抑える優れた設計や、新しいエネルギーを活用した次世代船の開発が、逆転の鍵を握るでしょう。
2019年8月2日現在、造船業界はかつてない分岐点に立たされています。日本が再び世界の頂点を目指すためには、技術革新を止めない姿勢と、国を挙げた戦略的な支援がこれまで以上に求められます。中韓の巨大企業がもたらす「規模の暴力」に屈することなく、日本ならではの繊細な技術力が、再び世界の海を席巻する日が来ることを切に願っています。
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