2019年04月01日から鳴り物入りでスタートした新たな在留資格「特定技能」制度ですが、現場の期待とは裏腹に、企業の足並みは必ずしも揃っていないようです。日本経済新聞社が2019年08月03日までに九州および沖縄の主要企業110社を対象に実施した調査によれば、驚くべきことに全体の33.6%にあたる37社が、この新資格による採用に否定的な見解を示していることが明らかになりました。
深刻な労働力不足を背景に導入されたこの制度は、本来であれば喉から手が出るほど人材を欲している企業にとっての救世主となるはずでした。しかし、実際に「採用を前向きに検討している」と答えた企業は、わずか9.1%の10社にとどまっています。この数字の開きは、国が描く理想と、地域経済を支える企業が直面しているシビアな現実との間に、決して小さくない溝があることを如実に物語っていると言えるでしょう。
そもそも「特定技能」とは、深刻な人手不足に悩む建設や農業、宿泊など特定の14業種において、一定の専門性や技能を持つ外国人に与えられる資格のことです。特筆すべきは、熟練した技能が求められる「2号」資格を取得すれば、家族の帯同や在留期間の更新制限がなくなる点にあります。これは実質的な永住を認める画期的な転換であり、SNS上でも「日本の労働環境が大きく変わる一歩だ」と期待を寄せる声が目立っています。
受け入れ態勢の不備が足かせに?現場が抱える深刻な悩み
一方で、今回の調査で浮き彫りになったのは、受け入れ側の準備不足という切実な問題です。採用に消極的な姿勢を見せる37社に対してその具体的な理由を尋ねたところ、実に40.5%の企業が「社内の教育体制や受け入れのための環境が整っていない」という回答を寄せました。外国人スタッフを単なる労働力としてではなく、共に働く仲間として迎え入れるためのノウハウが、まだ現場には蓄積されていないのでしょう。
ネット上の反応を見ても、「制度だけが先行して、現場のサポートが追いついていないのではないか」という指摘や、「言葉の壁や文化の違いをどう乗り越えるべきか指針が欲しい」といった不安の声が数多く投稿されています。単に門戸を広げるだけでなく、企業が安心して雇用できるような、きめ細やかなコンサルティングや公的な支援パッケージの充実が、今後の普及には不可欠であると感じざるを得ません。
私個人の見解としては、この制度は日本の多文化共生社会に向けた大きな試金石になると考えています。人手不足の解消という経済的側面はもちろん重要ですが、それ以上に、多様な背景を持つ人々が地域社会で共に輝ける仕組み作りこそが、中長期的な九州・沖縄の活性化に繋がるはずです。今はまだ産みの苦しみの時期かもしれませんが、一歩ずつ態勢を整えていく企業の挑戦を、社会全体で応援する空気を作っていきたいものですね。
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