革新的融資で中小企業を力強く支援!「POファイナンス」など新担保手法と地域金融機関の挑戦

多くの中小企業にとって、事業を継続し、成長させていく上で資金調達は常に大きな課題となっています。特に、革新的な製品やサービスを生み出しても、製造に必要な資金が手元に十分になく、従来の銀行融資の厳しい審査をクリアできないケースも少なくありません。しかし、2019年6月7日時点では、こうした中小企業の資金繰りを支えるために、金融の世界で新しい担保の仕組みや融資手法が広がりを見せています。これらの新しい動きは、日本経済を支える中小企業の活力を引き出す鍵となるでしょう。

たとえば、電動アシスト三輪車を開発した豊田TRIKE(東京・港)は、2019年4月に行った資金調達でこの新しい手法を活用しました。同社は、独自の安定機構を持つ三輪車を開発しましたが、製造資金が課題でした。そこで、自転車販売のシナネンサイクル(東京・港)からの受注記録を根拠に組成された電子債権を担保として、商工組合中央金庫から2,000万円の融資を得ることができたのです。通常、銀行が受注記録だけで融資をすることは困難ですが、この革新的なスキームが実現を可能にしました。

この電子債権の仕組みを提供しているのが、金融サービス会社のトランザックス(東京・港)です。同社は、企業の過去の金融取引などを審査し、担保として利用可能な電子債権を組成しています。これを金融機関に新たな融資の枠組みとして提案し、中小企業の資金調達をサポートしている状況です。中小企業が融資を受ける際、財務状況などから返済能力が厳しく問われますが、たとえ融資枠がいっぱいであったり、担保にできる不動産を温存したいというニーズがあったりしても、この新しい方法が対応できると、大塚博之社長は説明しています。これは、企業の信用力だけでなく、具体的な事業の確実性に着目した、非常に未来志向の仕組みだと言えるでしょう。

特に注目を集めているのが、受注・発注の証拠を基に電子債権を組成し、それを担保に融資を行う「POファイナンス」と呼ばれる手法です。これは「Purchase Order Financing(発注書に基づく融資)」の略で、まだ商品の代金を受け取っていない段階であっても、将来の売上を担保として活用できる点が画期的です。2019年4月には、地方銀行として初めて横浜銀行がトランザックスと連携してこのPOファイナンスを導入するなど、その普及は着実に進んでいます。

また、東京都も、設備や売掛債権(商品やサービスを売却したが、まだ代金を受け取っていない請求権のこと)、在庫などを担保とする「ABL」(Asset Based Lending=資産担保型融資)に力を入れています。運転資金の確保に悩む中小企業でも、ABLやPOファイナンスといった新しい手法によって、長期的な成長に繋がる資金を確保しやすくなるでしょう。これは、従来の「不動産担保主義」から脱却し、企業の本業が生み出す価値に着目する事業性評価融資が、金融業界全体で広がっていることの表れだと考えられます。

事業性評価融資の広がりは、データにも明確に現れています。千葉銀行の場合、2018年3月期における事業性評価融資の件数は約2万6千件に達し、これは2年前と比較して約2.6倍の増加です。同行の全与信先の58パーセントを占め、融資残高も4兆円近くに上っており、2019年3月期も件数と割合の両方でさらなる伸びが見込まれています。同様に、京葉銀行も事業性評価融資を強化しており、品川や東陽町の2支店を専門店舗として営業し、若手行員の育成にも注力しながら、2021年3月期までに2018年3月期の1.5倍となる1万2千件まで融資を拡大する計画です。

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地銀が推進するフィンテック活用と中小企業成長への期待

日本銀行のマイナス金利政策といった金融環境の変化を受け、金融機関は融資などで従来よりも進化した手法を求められています。特に、中小企業との取引が中心である地方銀行(地銀)は、フィンテック(FinanceとTechnologyを組み合わせた造語で、ITを活用した革新的な金融サービス)の活用に本格的に乗り出しました。たとえば、千葉銀行は、第四銀行など地方銀行9行で構成される「TSUBASAアライアンス」の枠組みを活用し、2017年からフィンテックビジネスコンテストを開催しています。

このコンテストでは、参加者が地銀の持つビッグデータやシステムインフラ、顧客ネットワークなどの経営資源を活用し、地方経済の発展に繋がるアイデアを競い合っています。地銀がフィンテックを効果的に活用し、融資の判断をより的確かつ迅速に行えるようになれば、中小企業の成長を力強く後押しすることに繋がります。また、地銀にとっても、フィンテック起業家との協業は、融資先の確保など新たなビジネスチャンスを発掘する絶好の機会となるはずです。

これらの新しい取り組みに対し、SNS上でも大きな反響が見られます。「従来の担保がないと借りられない常識が崩れていく」「未来の売上を担保にできるのはすごい」「地銀の動きが中小企業に希望を与える」といった期待の声が多く見受けられます。企業が事業を継続していくためには、資金面でのバックアップが絶対に不可欠であり、金融機関がこのように資金供給の方法を多様化させるとともに、行政による支援も重要になるでしょう。私は、これらの革新的な金融手法こそが、中小企業の底力を引き出し、地域経済を活性化させるための最も重要な推進力の一つになると確信しています。

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