西部ガスが挑む顧客奪還作戦!ガス自由化の波と不動産事業の躍進で見せる「2019年夏の攻防」

エネルギー市場が激変の時を迎える2019年、九州のインフラを支える西部ガスが大きな転局点に立たされています。2019年08月06日に開かれた決算記者会見にて、ガスの小売り自由化が始まって以降、顧客の解約件数が2019年06月末時点で累計10万6000件に達したことが明らかになりました。これは、かつての独占市場が崩れ、消費者がより自由に供給元を選べるようになった「小売り自由化」の影響が色濃く反映された結果と言えるでしょう。

一方で、電力の小売り事業については明るい兆しも見えており、2019年04月に実施した値下げ戦略が功を奏して、これまでに9万7000件の契約を獲得しています。しかし、ガス事業での流出が電気の獲得を上回る「流出超過」の状態が2019年02月から継続しており、競争の激化は予想を上回るスピードで進行しているようです。SNS上では「セット割で安くなるなら乗り換える」という前向きな声がある反面、「地元企業としてもっと頑張ってほしい」という期待を込めたエールも散見されます。

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逆境を跳ね返すための営業戦略と「セット割」の強化

こうした苦境を打破するため、同社は2019年08月から電気の新規契約に関するプロモーションを一段と強化する方針を打ち出しました。2019年04月から06月にかけて行われたキャンペーンが好評を博したことを受け、2019年08月から10月にかけても再度、大規模な施策を展開して巻き返しを図ります。藤本亨副社長は記者会見の場で、競合他社に顧客を奪われている現状を真摯に受け止め、現場で働く営業員のスキルアップを通じて信頼回復に努める意欲を示しました。

2019年04月から06月期のガス販売データに目を向けると、全体量は前年同期比で0.3%微増の2億800万立方メートルを確保したものの、家庭用は3.5%減、業務用も1.3%減と、主要なセグメントで苦戦を強いられているのが現状です。これはエネルギーの効率化が進む現代において、単にガスを売るだけでなく、いかに付加価値を提供できるかが勝負の分かれ目であることを示唆しています。デジタルネイティブな層からも、スマホで簡単に料金比較ができる利便性を求める声が高まっているのです。

不動産事業が収益を支える!西部ガスの意外な「攻め」の姿勢

本業であるガス事業が厳しい競争にさらされる中、経営の大きな支えとなっているのが不動産事業の好調ぶりです。2019年04月から06月期の連結経常利益は、前年同期比12%増の30億円を記録しました。これは分譲マンションの販売が極めて順調に推移したことに加え、2019年02月に地場ゼネコンである吉川工務店を買収したことが収益の押し上げに大きく貢献した形です。エネルギー会社から、暮らしのトータルパートナーへと進化しようとする戦略が垣間見えます。

売上高についても、前年同期比11%増の486億円と力強い数字を残しており、不動産分野の成長とガス料金改定の効果が業績を下支えしている構図が見て取れるでしょう。私個人の意見としては、人口減少が進む地域において、エネルギー供給一本足打法ではなく、多角的な事業展開で収益基盤を固める手法は非常に合理的だと感じます。インフラ企業としての安心感を武器に、住まい全体のソリューションを提案する力が備われば、流出した顧客を再び呼び戻すチャンスは十分にあるはずです。

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