クレジットカード界の巨人として知られる米マスターカードが、決済業界の勢力図を塗り替える大きな一歩を踏み出しました。同社は2019年08月07日、デンマークを拠点とする欧州の決済システム大手「ネッツ(Nets)」の企業向けサービス事業を買収することで合意したと発表しています。買収額は約32億ドルという巨額なもので、日本円に換算すると3000億円を超える極めて大規模な投資となるでしょう。
今回の買収劇の主役であるネッツ社は、北欧を中心に強固な決済ネットワークを築いている企業です。特に注目すべきは、銀行口座間で直接資金を移動させる「リアルタイム決済」や、公共料金などの支払いを自動化する「口座振替サービス」に強みを持っている点にあります。マスターカードはこの買収を通じて、従来のカード決済という枠組みを超え、あらゆるお金の流れを支える総合的なフィンテック企業への進化を加速させる狙いがあるはずです。
ここで専門用語について少し触れておきましょう。最近よく耳にする「フィンテック(FinTech)」とは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語です。スマートフォンやAIなどの最新技術を駆使して、より便利で安全な金融サービスを生み出す動きを指します。マスターカードはもはや単なる「カード会社」ではなく、高度なテクノロジーで世界の経済活動を円滑にするIT企業としての側面を強めていると言えるでしょう。
SNS上では、このニュースに対して驚きの声が広がっています。「マスターカードの勢いが止まらない」「北欧のキャッシュレス先進技術が世界標準になるのか」といった期待が寄せられる一方で、「巨大プラットフォームによる独占が進むのではないか」という懸念を抱くユーザーも見受けられました。利便性の向上は歓迎すべきことですが、一つの企業が決済インフラを握ることの影響力には、多くの人々が敏感に反応しているようです。
私自身の見解を述べさせていただきますと、今回の買収はマスターカードにとって「守り」ではなく、極めて攻撃的な「攻め」の布石であると感じます。現在の金融業界では、GAFAのようなIT大手の参入や新しい暗号資産の台頭により、既存の勢力は常に脅かされています。その中で、銀行口座直結の決済システムを手中に収めることは、他社に対する決定的なアドバンテージとなり、次世代のスタンダードを構築する鍵になるに違いありません。
今後のスケジュールとしては、各国の規制当局による審査などを経て、2020年前半には全ての買収手続きが完了する予定となっています。この統合が実現すれば、私たちの日常生活における支払いのスピードや安全性は、さらに一段上のステージへと引き上げられることが予想されます。世界中の決済シーンがどのように塗り替えられていくのか、マスターカードが描く未来のビジョンから、今後も目が離せそうにありません。
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