日本の半導体業界を牽引する巨大企業、ルネサスエレクトロニクスが現在、非常に厳しい局面を迎えています。2019年8月7日に発表された2019年4月から6月期における連結決算によれば、売上高は前年の同じ時期と比較して5%減少の1926億円にとどまりました。さらに深刻なのは本業の儲けを示す営業損益で、25億円という巨額の赤字を計上しています。これで2四半期連続の赤字となり、新体制での船出は荒波に揉まれる形となりました。
この苦境の背景には、工場などで使われる産業機器向け半導体の需要低迷があります。企業が製品を作るための「在庫調整」が思うように進んでおらず、ルネサス側もこの調整には2019年いっぱいという長い時間が必要になると予測しています。在庫調整とは、市場に出回る商品の量が過剰になった際、生産を抑えて適正な量に戻す作業のことです。この停滞が響き、かつての勢いを取り戻すには、もう少し忍耐強く市場の回復を待つ必要があるでしょう。
SNSでの反響と専門的な視点から見るルネサスの現状
今回の決算発表を受け、SNS上では「日本の半導体の砦として踏ん張ってほしい」という期待の声がある一方で、「米中貿易摩擦などの外部要因が予想以上に重いのではないか」といった不安も広がっています。投資家たちの間でも、新体制への期待と足元の数字のギャップに戸惑う様子が見て取れます。特に、自動車の自動運転技術やスマート工場の普及に欠かせない半導体を手掛けているだけに、その動向は個人の生活にも直結する重要な関心事となっているようです。
ここで注目すべきは、ルネサスが主力とする「マイコン(マイクロコントローラ)」の動向です。マイコンとは、家電や自動車の制御を司る、いわば「電子機器の脳」にあたる小さなコンピュータを指します。世界的な景気減速の影響で、この脳を必要とする製品の売れ行きが鈍っていることが、数字に如実に表れました。しかし、これはルネサス個別の問題というよりも、世界的な半導体サイクルが一時的な谷間に差し掛かっている証左とも言えるでしょう。
編集部としての見解ですが、今回の赤字は決してネガティブな側面ばかりではありません。新体制のもとで不採算部門の整理や次世代への投資を加速させるための、いわば「産みの苦しみ」であると捉えることも可能です。半導体市場は波が激しいことで知られていますが、5Gの普及や電気自動車の進化など、追い風となる要素は数多く存在します。2019年後半をどのように耐え抜き、2020年以降の反転攻勢に繋げるのか、その手腕が今まさに問われています。
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