2019年6月8日現在、償還までの期間が10年を超える超長期国債の金利が、一段と低下(債券価格は上昇)する動きを見せています。特に注目されたのは、6月7日の債券市場です。この日、30年物国債の利回りが一時的に0.4%を割り込むという、約2年9カ月ぶりの水準を記録しました。これは、現在進行中の**「マイナス金利時代」**において、投資家がわずかでもプラスの利回りを求めて超長期債に資金を集中させている状況を鮮明に示しているといえるでしょう。
この金利急落の背景には、日本銀行(日銀)が同日に行った超長期国債の買い入れオペ(公開市場操作)があります。オペとは、日銀が市場から国債などを売買して、市場の資金量を調整する手法です。今回は実質的な**「減額」**となりましたが、その減額幅が市場の事前予想よりも小さかったことが、投資家のさらなる金利低下期待を煽り、一斉に買いが入る結果となりました。具体的には、「10年超から25年以下」の年限での買い入れ額は前回から400億円増やされ2,000億円となりましたが、6月は買い入れの回数が減るため、超長期債全体で見ると月間では800億円の減額となる見通しです。
専門家は、今回のオペに対する市場の反応について、「日銀はもっと大胆な減額、例えば10年超から25年以下の買い入れ額を1,600億円に据え置くなど、厳しい引き締めを行うのではないかという警戒感が市場にはあった」と指摘しています(SBI証券の道家映二氏の見解)。このため、予想よりも穏やかな減額となったことが、一種の**「サプライズ」として受け止められ、超長期債の買い安心感につながったと考えられます。実際、長期国債全体でマイナス利回りが定着する中、プラス金利が付く超長期債は需給が逼迫**しており、その価値が高まっている状態にあるのです。
私自身の意見としては、日銀の金融政策が市場との**「対話」を重視し、急激なショックを避ける形で、国債市場の機能維持と、金融緩和の継続という二つの難しいバランスを取ろうとしている姿勢が伺えます。しかし、このような超低金利、特に超長期金利の急低下は、年金運用などを担う機関投資家にとっては「買うものが少ない」**というジレンマを生み出し、長期的な資産運用を一層困難にしています。
日銀が6月7日に発表した5月の債券市場サーベイ(機関投資家を対象とした調査)の結果も、この厳しい状況を裏付けています。この調査で市場の機能が「改善した」との回答から「低下した」を引いた機能度判断指数(DI)は小幅な改善は見られたものの、依然としてマイナス圏に留まっています。日銀はこの結果に対し、「金利が低下して投資対象が見当たらないとみている投資家からの厳しい評価が続いている」と分析しており、今後も国債市場の動向から目が離せない状況が続くでしょう。
このニュースに対するSNSでの反響は、「また金利が下がったのか、貯蓄している身としては厳しい」「年金運用が心配になる」「日銀が意図的に金利をコントロールしているように見える」といった、将来の経済不安や金融政策への疑問を示すものが多く見られました。超長期債への需要の高まりは、裏を返せば、多くの投資家が日本の景気回復が遠いと見て、安全性の高い資産を選好していることの表れとも言えるでしょう。
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