若いうちから資産形成を考える方にとって、「投信積み立て」は非常に有力な選択肢となるでしょう。これは毎月、一定額で投資信託という金融商品を購入していく手法を指し、投資のタイミングを分散できる点が大きな特徴です。相場が高い時には少ない口数を、安い時には多い口数を自動的に購入するため、購入価格が平準化され、いわゆる高値掴みのリスクを抑えやすいことから、投資初心者の方にも特におすすめできる方法と言われています。長期的な視点での資産形成を目指す若い世代は、ぜひともこの手法を取り入れてみてはいかがでしょうか。
積み立て投資を始めるにあたって、まず検討したいのが「つみたてNISA」の活用です。これは、少額投資非課税制度(NISA)の仕組みを積み立て投資に特化させたもので、2018年1月にスタートしました。最大の特徴は、通常なら課税される運用益が非課税になる点で、非課税期間は最長20年間と長期にわたります。開始からわずか1年で開設口座数は100万を超え、その利用者のうち、およそ4割が20代から30代の若年層であることから、関心の高さを伺い知ることができます。
つみたてNISAでは、年間投資上限額は40万円に設定されています。また、投資対象となるのは、金融庁が定めた「信託報酬が低い」「長期投資に適している」といった厳しい基準を満たした投資信託のみです。現時点(2019年6月)で対象商品は約160本となっており、その大半は市場全体の動きに連動することを目指すインデックス投信で占められています。特定の銘柄を分析して市場平均を上回るリターンを目指すアクティブ型の投信は約20本にとどまっていますが、まずは非課税の恩恵を最大限に活用するのが得策でしょう。
つみたてNISAの年間40万円以上の積み立てを行いたい方や、つみたてNISAの対象外であるアクティブ型の投資信託で運用したいと考える方は、インターネット証券の提供する積み立てサービスが次の選択肢になります。税制上の優遇はありませんが、最近では多くのネット証券が、投資信託を購入する際に支払う販売手数料が無料の「ノーロード型」と呼ばれる商品を充実させています。例えば、ある大手ネット証券では約2,700本の投信を扱っていますが、その半数以上にあたる1,360本がノーロード型であるなど、コストを抑えて投資を始められる環境が整ってきています。
さらに、ネット証券の中には、積み立てサービスの利用に対してポイントを還元する仕組みを導入しているところもあり、販売手数料を実質的に無料にしています。特に注目すべきは、普段の買い物などで貯まるクレジットカードのポイントを活用して投資信託を積み立てられるサービスです。例えば、別のネット証券では「楽天スーパーポイント」を100円分から投資に充てることが可能で、さらに投信の保有額に応じたポイントも付与されます。実際に同証券に口座を持つ都内在住の30代会社員の女性は「投信保有で貯まったポイントで、また新たに投信を購入できるので効率的」だと、そのメリットを高く評価しています。
また、別の証券会社では、専用クレジットカードを利用して100ポイント(100円相当)が貯まると、自動的に投信を積み立てる仕組みも用意されています。このように、ポイントを資産運用に活かせるサービスは、特に若年層にとって、手持ち資金を大きく削ることなく投資を始められるという点で、非常に魅力的だと私は考えます。
ネット証券の特徴として、投資信託以外の運用商品も積み立てできる点も挙げられます。例えば、あるネット証券では、投資信託と外貨建てMMF(マネー・マーケット・ファンド:格付けの高い外貨建ての短期債券などで運用する投資信託)などを自由に組み合わせて積み立てが可能です。また、別のネット証券では、金やプラチナ(白金)、銀といった貴金属を毎月一定額で購入できるサービスもあり、資産の分散先を広げたい方にも応える商品ラインナップとなっています。
📱若者に人気のスマホアプリとロボアドバイザーを活用した積み立て
最近では、スマートフォンのアプリを使って手軽に積み立てを始められるサービスが若者を中心に人気を集めています。アプリで投資の状況が分かり、お金が着実に積み立てられていく様子を実感できるため、「今後の運用成績が楽しみ」といった声も聞かれます。実際に、京都府に住む大学に通う西村遼さん(22歳)もその一人で、あるフィンテック企業(金融とテクノロジーを融合させた企業)のサービスを通じて投資を始めています。この会社のサービスは、LINEのアプリを利用し、最低投資額500円から、週1回、5回、7回のいずれかの頻度で積み立てが可能です。
このサービスは、ロボットアドバイザー(ロボアド)という自動で資産運用のアドバイスや実行を行うシステムが、投資配分を自動で選びます。具体的には、毎月月初に海外のETF(上場投資信託:証券取引所に上場している投資信託で、株式のように売買可能)に分散投資を実施します。自分で細かく商品を選ぶ手間が省けるため、投資に不慣れな方でも安心して始められる点が大きな魅力です。
さらに、買い物の「おつり」を自動で積み立てて、それをロボアドが運用するユニークなサービスも登場しています。例えば、ウェルスナビ社やおデザイン社が提供するこのようなサービスも、自分で商品を選定する作業が不要なため、投資が非常に身近なものになります。私見ですが、このような「生活の延長」で無理なく資産形成ができる仕組みは、特に若い世代の投資へのハードルを大きく下げる、非常に画期的なアプローチであると言えるでしょう。
また、長期的な視点での資産運用を重視する独立系の運用会社の投資信託も、積み立ての対象として選ぶことができます。さわかみ投信やレオス・キャピタルワークス、コモンズ投信などがその代表例です。商品数は限られますが、これらの会社が開催するセミナーでは、実際に資金を運用するファンドマネジャーから、運用方針や市場に対する考え方を直接聞くことができる機会があり、投資家としての知識を深める上でも貴重な場となるでしょう。
積み立て投資は、一般的に長期間にわたって継続するほど、複利効果も相まって運用成績がプラスになりやすい傾向があります。自分の資産形成の目標や運用に対する考え方をしっかりと見極めた上で、焦らずじっくりと取り組んでいくことが成功の鍵になるでしょう。若いうちから少額でもコツコツと積み立てを始めることが、将来の大きな資産につながると確信しています。